街中にある変な英語の標識~翻訳ミス、あるある
いよいよ夏本番になってきました。暑いのが大の苦手な副校長の三宮です。
さて、前回にお伝えした「二か国語神道レクチャー」レポートの続きを今日はお届けします。
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「二か国語神道レクチャー」レポートその1
神道は宗教なのか?
どこの国の人でも、自国の文化や歴史について案外知らないことが多いものです。とりわけ日本人はその傾向が強いように感じています。古い歴史と独特の混合文化をもつこの国の、特に宗教については普通の公立の学校で教えることはあまりません。
日本を訪れる外国人がまず抱く疑問の一つは、日本人の宗教観についてでしょう。初詣や七五三は神社でやり、結婚式やクリスマスはキリスト教の教会でしたい、お葬式は仏式でお寺でやる。これが一般的な日本人の生活様式であり、特に宗教を意識しての行動ではありません。これは、他国の人から見るととても奇異に映るのです。
1人の人間が3つも宗教をかけもちしているとは何と節操がないのか、と思う外国人もいるようです。厳格なキリスト教徒が多い西洋人は、お寺や神社の中に入ることもしないと言う話もあります。イスラム教徒ならなおさらでしょう。
これを無節操ととらえてほしくない、日本人は宗教に寛容なのだと思ってほしい、と私は昔から感じていました。そこで、桃山宮司の「神道は宗教ではありません。それは神教とは呼ばないことからもわかります」という話にハッと気づいたのです。英語に訳すと「神道」という言葉は、Shintoism よりも "The Way of Spirits"が一番近いのです。
内容の組み立て
そういったお話を桃山さんとさせていただきながら、何についてお話しするかを組み立てていきました。まず神道という言葉から、神のとらえ方、歴史、祭礼、神主、神社などをやさしい言葉で説明することにしました。日本人がきちんと理解していないために外国人に尋ねられても答えられないことは、もったいないでしょう?
八百万の神という言葉からもわかるように、神道は絶対唯一の神を崇拝するものではありません。またその歴史は新仏習合となったり戦争に利用されたり、古事記や皇室との関わりなど、謎に満ちています。布教でも論文でもなく、誰にでもわかりやすく説明することは、なかなか大変です。そこで前回にも書きましたが、私が実際に外国人から受けた質問に答えることを一番に考えていきました。
原稿を作るにあたり、私が英語で先に組み立ててそれを翻訳し、宮司に見ていただくという方法をとりました。限られた時間内に効率よく、誰にでもわかるようにお話しようという取り組みです。しかし、最初に私が日本語で神道について調べていくととても深い宗教観や日本人としての在り方といった精神論が多かったのです。平易な言葉で簡潔かつ明確に答えるものは少ないことは驚きでした。
英語ではその点「わかっていない」ことを前提に説明していますから、辞書の定義のように思っていた答えが簡単に見つかりました。そうして英語から先に神道についてのお話を組み立てていったのです。
質疑応答を作る
当日のプログラムの内容をここで公開します。
1 神道という言葉
2 「神」という概念
3 神道の歴史
4 祭礼と行事
続いてあらかじめ用意しておいた質問にお答えし、その後で質疑応答にうつりました。その質問とは次のようなものです。
◆ 神道は宗教?
◆ 誰が神道を創設した?
◆ 神道の信者どれくらいいるの?
◆ なぜ地元の神社に行くの?
◆ 神社にある鳥居の役割は?
◆ 家にある神棚はなに?
こうした疑問をお持ちの方は、是非次回9月26日((土))に開催される第2回にいらしてくださいね。
レクチャーは「願いの宮」の2階にあるセミナールームで行われました。60分ほどのレクチャーと活発な質疑応答の後は、階下でご祈祷の様子を見学です。通常、ご祈祷をお願いしない限り観光客は神社の内部に入ることはできませんので、これもとても好評でした。
第2回に向けて内容をさらにグレードアップし、皆様のお越しをお待ちしております!
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