ビジネスウーマンの勝負服~神戸ビジネススクールの人気コラムシリーズ
私が非常勤で教えている英語の専門学校では、テキストに洋書を使っています。イギリスの出版社のものが多いのですが、実は私が習ったのはアメリカ英語なので、時々あれ?と思うことがありました。今はもう慣れましたが、生徒さんたちはやはり少し戸惑うようです。代表的なものが、単語のスペルの違いです。いくつか代表的な例を挙げてみましょう。
パターン1 u の有無
colour, favourite (英) color, favorite (米)
パターン2 s か z か
organise, modernise (英) organize, modernize (米)
パターン3 er か re か
centre, theatre (英) center, theater (米)
パターン4 g か gue か
catalogue (英) catalog (米)
これについて、日本でAETとして教えているシンガポール人 Tan Ying ZhenがJapan Times ST(学生向けジャパンタイムス)に次のように寄稿しています。http://st.japantimes.co.jp/essay/?p=ey20130607#at_pco=cfd-1.0&at_ab=per-11&at_pos=5&at_tot=12&at_si=542c9396cc81fa1f
"since I started working as an AET in Japan, I have had to spell words the American way on my worksheets and in the classroom. To be honest, I haven't gotten used to it yet and I still have to resist the urge to correct words that have been spelled the American way. "
「AET(Assistant English Teacher)として日本で働くようになってから、教室ではアメリカ英語のスペルを使わなければならなくなりました。正直なところ、まだそれに慣れておらず、未だにアメリカ式のスペルを訂正したい気持ちと戦わなくてはなりません。」
シンガポールはイギリスの植民地でしたから、イギリス式英語を使っていますし、インドでもそうです。グレン社長の祖国ニュージーランドもイギリス式なので、メールをやりとりする際などに、スペルの違いに気付くことがあります。しかし、どちらが正しいとか間違っているとかの問題ではありません。これはスペルのみならず、発音や文法などにも言えることです。
Zhen先生はこう言っています。
We just have to understand that other people may pronounce some words differently from us....Accent simply has nothing to do with your level of English.
「人によって発音の仕方が違う単語があるということを理解しなくてはなりません。(中略)アクセントは英語のレベルとは何ら関係がないのです。」
シンガポールの英語は中国語や他の言語と混ざって発達したために、文法や発音が独特のSinglishと呼ばれるものであることは皆さんもご存知だと思います。「だから尚更私はそう感じるのかもしれない」と彼は結んでいますが、日本人の英語にも同じことが言えるでしょう。発音がきれい(アメリカ的)であれば英語が上手という認識が大きいと思いますが、そうではないと私は思います。世界の共通語として様々な国で使われる英語には、これが正しいという模範はもはや存在しなくなっています。
道具(ツール)としての英語を使うとき、多様性を認めることが一番重要だと私は考えます。how it is said 「どんな風に話すか」ではなく what is said 「何を話すか」に焦点を置く必要があります。スペルや発音や文法といった細部にこだわりすぎると、コミュニケーションがうまく取れなくなる危険性もあります。日本人は完璧主義なので、間違いを恐れて消極的になりがちですが、多少ブロークンでも熱意を持ってどんどん話していきましょう。何と言っても、英語が母国語でもなければ、日常に使っているわけでもないのですから。
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