Reference 「推薦状」その1
以前にSWOT分析プロジェクトのことを書きました。大学での私の授業の一環として、国際的大企業のSWOT分析をし、その結果をグループでプレゼンテーションをするというものです。(http://mbp-japan.com/hyogo/kobebs/column/45083/)
その時はまだプレゼンテーションをする前でしたので、結果が楽しみですと書きました。8月の前期末に無事に終了しましたが、結論から言うと7つ全てのグループがとてもよくやってくれました。期限内に終えられなかったグループは一つもなく、どのプレゼンテーションもレベルが高いものでした。とりわけ二つのグループは素晴らしい出来でした。.
このプロジェクトには、チームワークが非常に大切です。どういった内容のものを扱うのか、という最初の決定に始まり、仕上げるまでにも多くの分担作業が必要です。出来上がったら次は、プレゼンテーションはどのように行うのか、誰がどういう順番で行うのか、などグループ内での協力が欠かせません。最初の段階では、テーマを決めるのがとても速かったグループと、なかなか取りかかれないグループがありました。これは大学の授業であり、決定権が誰にあるのかが明確でないプロジェクトです。こちらはグループの自主性に任せていますから、リーダーを指名するわけではありません。このような場合は、リーダー的まとめ役が自然発生したグループが初期段階でうまくまとまっていく傾向があります。
テーマを決定するまでにかかった時間のばらつきのもう一つの要因は、話し合いのポイントをしぼることがうまくできたかどうかです。話がなかなかまとまらないグループは、方向が定まらないためにテーマが決まらず、話し合いの時間が長くなっていました。こうしたグループは、行動に移る前の話し合いが長いという傾向から最後まで続き、時間に追われる結果となっていました。一方で焦点が早くに定まったグループは、テーマを決めた後は脱線することなく、効率よく作業に入っていくことができました。
このように、何を話し合うのかがわからなくならないように、要点をまとめたアジェンダを作ることが重要です。それにより、漫然と思いつくままに話し合い、脱線を繰り返して話し合いが長くなることが避けられます。そうやって話し合いを繰り返し、分担作業で各自が調査して集めた資料を持ち寄って、それをまとめたら次はプレゼンテーションの形にします。そして次に本番に向けての練習に入っていきます。こうした、グループ・プレゼンテーションをうまくやるには、いくつかのポイントがあります。ビジネスでも広く役立ちますから、ご参考になさってください。
ポイント1 プレゼンの資料は手書きで作る
手書きでも、WORDでもいいのですが、インターネットなどで得た情報を自分の言葉でまとめなおします。本やネットの情報をそのままコピペしただけでは、内容が頭に入っているとは言えません。また、他人が作った原稿を読むだけでは、自信をもって臨む事ができません。プレゼンの時になるとつっかえたり、意味不明になったりするのは、こうしたことが原因です。メモは大きな字で、自分で書く。単純なことですが、グループでのプレゼンには欠かせないポイントです。
ポイント2 プレゼンの制限時間を厳守する
どんなプレゼンテーションにも制限時間があります。そこをかなり厳しく言いましたので、みんなストップウォッチを使って自分の持ち時間内に終わるよう練習していました。結果、どのグループも時間をオーバーすることなくきっちりと終えていました。これは非常に素晴らしいことです。
ポイント3 リハーサルを怠らない
プレゼンテーションに備えていく学生さんたちの様子を見ていて、私が少し驚いたことがあります。7つのグループのうち、リハーサルを本番と同じ形で練習したグループは、2つしかありませんでした。残りの5つのグループは、全くリハーサルをしなかったのです。グループでのリハーサルは、お互いをよく見るためのとても良いチャンスです。内容の見直しはもちろんですが、話す速度や声の大きさは適切か、アイコンタクトや身振りなどのボディランゲージを効果的に使っているか、スピーカーの交代はスムーズか、など、グループプレゼンに欠かせないスキルはリハーサルの時に改善されるのです。
授業中ですから、グループ・ディスカッションの間はみんな小声で話していました。無言の作業の時間もありました。ですから、マイクを使って40人近くの前に立って話す練習は是非とも必要なのです。 リハーサルを念入りにした2グループは、聴衆となった他の学生たちを圧倒する、素晴らしい出来でした。なぜなら、彼らは練習によって自信をつけていましたし、事前にチェックしあうことで、お互いの弱点を指摘しあい、修正していました。自分達を客観的に見つめることにより、プレゼンのスキルが向上したのです。
ちなみに、この授業は男女混合でしたが、一番良かったグループのメンバーは全員女性でした。二番のグループは男女が混ざっていましたが、リーダーは女性でした。 これは興味深いと思いませんか?
ここで強調しておきたいのは、英語が上手に話せることがプレゼンの出来につながるのではないということです。英語でのプレゼンを成功させるカギは構成と練習、それに尽きます。英語でのプレゼンテーションについてもっと詳しい事を知りたい方は、こちらの本に詳しく載っていますので、是非お求めください。http://mbp-japan.com/hyogo/kobebs/column/45162/
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