丁寧なお願い~ビジネス英語のための英文法
関係代名詞はあまり使わなくてもOKというお話を前回にしました。
http://mbp-japan.com/hyogo/kobebs/column/42347/
そうは言っても、どうしても使わなくてはならない時ももちろんあります。その代表的なものが所有を表す“whose” と“of which”です。この使い分けについては、実はネイティブでも議論が分かれる、難しいところですので、考えてみたいと思います。
皆さんご存知の通り、先行詞が人の場合に、所有を表すためには関係代名詞 whoseを使い、無生物には of whichを使うというのが基本ルールです。前回の最後の部分にある無生物の先行詞「家」の例では3通りの考え方がある、としました。さて、どう違うのでしょうか。
「窓がこわれた家が1軒あった」
A) There was a house whose windows were broken.
B) There was a house of which windows were broken.
C) There was a house the windows of which were broken.
Aは日本の英文法書では、好ましくないと考える場合が多いようです。なぜなら、この場合の先行詞"house"は無生物であり、who-whose-whom という格変化に当てはまらないからです。次の例のように関係節の中で主格であればwhoは使えません。
There was a house which (X who) was built 100 years ago.
「そこには100年間に建てられた家が一軒あった」
しかし、Collins English Dictionaryには次のように説明されています。
You use 'whose' at the beginning of a relative clause where you mention something that belongs to or is associated with the person or thing mentioned in the previous cluase.
「whoseは先行詞の人や物が所有する、または関連があるものに言及する関係節の頭に使う」
つまり、関連性があれば thing=モノにwhoseを使ってもいいことになっています。実は、上の3つの回答例で言うと、ネイティブスピーカーが最も自然に感じるのはAなのです。Bはこれまで日本の英文法で正解とされていたものですが、これよりも現在はCを使うことが多いようです。多少口語的でもかまわない場合はA、硬い文章にはCがよく使われます。
次は、高校生向けの英作文問題で見つけた例文です。残念ながら、このようなくだけた口語表現(「勉強したいの」や「僕は・・・見つけた」)に、正解として出されている下の二文はほとんど使いません。英語としてかなり奇妙な響きになります。
1 私たちは窓の大きな部屋で勉強したいの。
2 僕は本屋で題名が興味深い本を見つけた
1 We want to study in a room the window of which is big.
2 At the bookstore, I found a book the title of which was interesting.
最良なのは、関係代名詞を使わずにwithを用いて簡潔にする方法です。すっきりと意味が伝わります。
1 We want to study in a room with a big window.
2 At the bookstore, I found a book with an interesting title.
of whichを正式に使うほうが良いのは、次のような文章でしょう。
「議会はその法案を可決したが、その目的は増税であった。」
Congress passed the statute, the purpose of which was to increase taxes.
神戸ビジネススクール(株)では、ビジネスに本当に役立つ英語を効果的に学ぶことができます。社内企業研修から個人レッスンまで、英語でお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。無料体験レッスンも実施中です。
http://www.kobebs.com/contact/
この記事を気に入ってくださったら、こちらもおすすめです
仮定法は英文ビジネスメールにこんなに使える!
現在完了形はいつ使うの?~ビジネス英語のための英文法