親子関係でも「ありがとう」と言えない関係
「保護者面接のみで子どものひきこもりを脱した例」
大手の食品製造業に就職し、受け身でまじめな青年は仕事に忠実に毎日をこなしてはいたが真面目さ故、3年目くらいより仕事を含め生活全般に息切れ気味になり、加えて我慢していた小麦アレルギーがひどくなり仕事をこなせなくなり次第に会社に足が向かなくなります。
SOSを出せばいいのにひとりアパートにこもるようになる。
息子の危機を前にして、息子への対応に情報・助言が両親にいろんな角度から与えられ錯綜し、慎重になりすぎ判断・決断に迷い思い余って相談に来られました。
人柄温厚で常識的価値観を持ち、世間に対して真面目に仕事・生活をされていた両親。
日常は硬く真面目ではあるが、一方で真摯に人の声に耳を傾ける姿勢や熱く行動できる勇気などが奥底に隠れていることを窺わせる両親でした。
その両親の素養を手掛かりに、息子を実家に連れ戻してもらい息子の日々の言動を両親の目線で定期的に報告をしていただき、息子の言動の意味、現状態、そこから得られる方向性を一緒に考え悩み紆余曲折しながらも両親には納得して行動していただきました。
8年間の両親面接を経て、息子のひきこもりをサポートし、最後は息子自身の力で就職を果たした事例です。
連動して息子を通じて家族・家のあり方・各々の考え方も変化し、最初来られた両親の雰囲気は大きく変わりました。