ある少女
「経験」
私どもが運営している、京口スコラという不登校現象を現す子どもたちのための居場所・活動場所があります。
昔、ある少年との関わりの話です。
彼が18歳から20歳の時です。
彼は、年齢的なものや、社会・世間から横道にそれているという思いや、先を急ぐ気持ちや、親は自分を認めていないだろうという思いや、無駄なお金を使っているのではという思いと、反対にまだまだ先を行くのは早い、居場所でまだしたいこともある、少しずつ信用できる人たちも出てきた、と認めて、少しずつ「自分」の実感が出はじめてきて、相反する気持ちに揺れていました。
それでも迷いを決断し、後ろ髪をひかれながらも希望をもって先を歩み始めました。
家業が新規事業をするので、その手伝いの傍ら好きな読書をしながら大学にも再挑戦し、皆から認められるような生活をしていくといって、当初は元気にやっているといいながらの連絡が、次第に途絶えてしまいました。
それから15年後、出張での移動中偶然に車窓から彼を見かけました。
田舎の歩道を、重力に逆らわない昔の雰囲気、歩き方、表情のままでした。変わっていたのは少年から中年前という時間の流れです。
人間、元気で活力がある場合は重力に逆らって生きています。
本当のところの状態はわかりません。
あなたはどう思うでしょう。
特別な話ではないです。
皆、過去から未来に向かって現在を生きています。