オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
Q. 甘えとわがままは違うのでしょうか。甘えは受け入れた方が良さそうですが、わがままというとダメな気がします。違いがよくわからず、私(母親)の状況がダメではなければ、だいたい受け入れていますが大丈夫でしょうか。(幼稚園の保護者)
A. 言葉が違うだけで中身の区別はなかなか明確にはつけられないように思います。
人によっても違うし、捉え方によっても違いますからね。
要はどこまでなら受け入れて良くて、どこからは「ダメ」と躾をしたら良いのかということをお尋ねになられていると解釈してお答えします。
幼稚園の子どもだったら、ご質問にあるようにお母さんの状況がダメでなければ大体受け入れてあげたら良いと思います。
そのままの対応で問題ありません。
まだ幼児でしたら甘えるのも、わがまま言うのも当たり前です。
それが自然な幼児の姿であり、大人が喜ぶような聞き分けの良い賢い幼児は不自然です。
教育や躾というものは、人間が作り出したもので不自然なものなんですね。
だけど社会生活する上では必要なものです。
そこで大事なのは、いかにその子の「心の自然」を壊さずに教育や躾を行うかということです。
およそ誕生して6歳くらいまでは遊びの中で学ぶことが大事でその中でルールも学びます。
幼児は真似することが大好きなので、親が挨拶をちゃんとしていれば自然に挨拶するようになりますし、あまり強制したり、厳しい躾はいらないしかえって有害でもあります。
このくらいの年齢の子どもに聞き分けの良さや礼儀正しさを求めるのはまだ早いのです。
もちろん子どもによっては聞き分けの良い礼儀正しい子もいるでしょう。
親が無理にしつけなくてもそういう子はいます。
それはそれで良いんです。
うちの3人の子の内にもそういう子が一人いました。
でもそういう子は良い子でいようと無理していることがありますので、そういう面ばかりを褒めるより、もっとわがままを言って良いのよとその子のわがままや甘えたい欲求、自然な心の欲求を十分に満たしてあげることが重要です。
教育というのは「良い子」にするためにあるのではありません。
教育というのは「幸せな大人」になってもらうためにあるのだと思います。
だから教育の成果というものは、その子が大人になった後に花開き実を結ぶことが大事です。
その子が大人になる途中(誕生から高校卒業まで)は、まだ未熟で未完成でいいのです。
そのようにしてその子の「心の自然」を壊さないことの方が大切です。
今、私たち大人は目に見えない「心の自然」を抑圧したり、壊すことに鈍感になっています。
目に見える教育的成果ばかりに注目しがちです。
子どもがわがままを言うこと、甘えることは自然です。
それをできる範囲で受け止め、許してあげることは「愛着形成」の上からも大切だと思います。
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