第36回ペアレントセミナー『心の成長と発達課題』ありがとう<後編>
2月23日(日)は第50回ペアレントセミナーがありました。
今回は記念すべき第50回ということで感謝の意味も込めまして参加費無料とさせていただきました。
なんと70名以上の方が参加してくださいました。ありがとうございます。
テーマは
「不登校・発達障害の子どもへの接し方」
~受容が成長を促し自己肯定感を育む~
前半40分が講演、後半40分が受容を体験するグループワークをしました。そして5分ほど質疑応答の時間を取りました。
講演ではこの資料をもとにお話ししました。
この資料を見ていただきますと不登校の生徒への対応も、発達障害傾向のある生徒への対応も大変共通している部分があるなあという感想を持たれるかと思いますが、本当にその通りです。
基本的な接し方はほぼ一緒です。
共通しているキーワードは「自己成長力」「安心感」「受容」です。
「受容」とはありのままを受け入れるということです。
受容してもらえると安心できるんですね。
ここでどのようにして不登校や発達障害の子が良くなっていくのか『改善モデル』をお示しします。
まず出発点は子どもには自己成長力があることを知ることです。
人間には成長、進歩、適応、健康に向かう力(自己成長力)が宿っています。
この自己成長力が活発に働くことによって不登校や発達障害傾向は改善すると考えます。
親はその力が十二分に働くように援助することができます。
では、どのようにして援助するのか?
子どものありのままを受け入れること、
つまり「受容」することによってです。
そのためには自己成長力があることを知るだけではなく、
その力を信じ任せる心境になって親が子どもを「受容」する覚悟を決めなければなりません。
それは言葉を変えれば親は子どもを変えられないと悟り、
そしていい意味で変えようとすることを「あきらめて」、
これは子どもの自己成長力にお任せしようと思い切ることによって
初めて子どものありのままを受け入れる(受容する)ことが出来ます。
受容が出来るようになると、
今までのものの見方や考え方が変わってきます。
今までのような硬直した常識的なものの見方ではなく、
もっと柔軟にもっと自由なものの見方ができるようになります。
そして「許せる」ことが増えてきます。
これは親自身が精神的に成長して柔軟に物事を見られるようになったからです。
そしてこの親の成長が子どもの成長も促します。
子どもへの受容ができるようになると、自己受容もできるようになります。
それは子どもの自己肯定感を高め、親自身の自己肯定感も高めます。
ありのままの自分を受け入れることこそが自己肯定感の根本であるからです。
「あなたはあなたのままでいい」
「ありのままの私でいい」
そう思えることは「安心感」につながっていきます。
この「安心感」こそが自己成長力を活性化させる元なのです。
安心できると元気になってきます。勇気も湧いてきます。
前向きな気持ちも起こってきます。
建設的な意欲が湧いてきます。
子どもは自らのこの意欲によって成長し、
自らの力で不登校や発達障害傾向を改善し、乗り越えていくのです。
親は子どもが安心感が持てるように受容することが大切です。
今日は「受容」とはどんなものかをグループワークを通して体験的に知っていただこうと思っています。
(これを講演の最初に書いてもらっていました)
これをグループでお互いに発表し合い、感想を言い合います。
心を開いて自分の考えを素直に表現する。(自己開示)
自己開示ができるということはある程度自己受容ができるということです。
それをグループのメンバーに受け入れてもらうことによって更に自己受容できるようになります。
また人の発表を聞いてそれを理解しようと心がけること、
自分との違いを面白がったり、その理由を聞いてみたりして
他者の意見を自分の中に取り入れていきます。(他者受容)
そしメンバー全員で意見を出し合ってそのグループの「大切なものベスト3」を決めます。
最後に各グループの代表者が全員の前でそれを発表します。
最後にまとめとしてこのようにお話ししました。
「どうでしたか皆さん。
心を開いて思いを言えた。
心を開いて人の話が聞けた。
そう思える人、手を挙げてください。
(多くの方の手があがる)
皆さんが今体験されたのが自己受容であり他者受容です。
自分が最初書いたベスト3よりも
グループで決めたベスト3の方がいいと思う。
気に入っている。
そう思える人、手を挙げてください。
(多くの方の手があがる)
それが成長です。
今日は長い時間お付き合いいただきまして
本当にありがとうございました。」
そうご挨拶した後ユーミンの「やさしさに包まれたなら」の曲に乗せてお一人お一人それぞれ違う50種類の詩をプレゼントしました。
質疑応答では「療育センターでは悪いことは悪いと教えないといけないと言われて、そのようにしているのですがそうすると子どもが30分ほどひどい癇癪を起こして困ってしまいます。長谷川先生の今日のお話では子どもに負けて子どもの言うようにすればいいとお聞きしたのですが、どうすればいいですか?」という質問がありました。
「なるほど。この発達障がいの子どもの対応については専門の小児科医の先生によっても言うことも診断も違いますし、療育センターもその施設長さんによって対応は様々です。だからどの対応がいいと断言できないのですが、一度私が今日お話ししたやり方で1ヶ月ほど試してみられたらどうでしょう。それで癇癪もおさまって自分の気持ち的にもしっくりいけばそのまま続ければいいし、ちょっと違うなあと思われたらやめられたらいいし・・。一度1ヶ月ほど試してみてください。」
そのようにお答えしました。
今日参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
また次回ペアレントセミナーでお会いできるのを楽しみにしています。
< リンク >
講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
https://www.kouenirai.com/profile/3820
システムブレーン|長谷川満 プロフィールページ
https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-7816.htm
教育講演・人権講演のテーマや内容については
http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/
子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
http://www.hariat.co.jp/ksg/
長谷川満の見方が変わる相談室
http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/471145150.html