子育ては良いこと2割、悪いこと2割がちょうどいい

長谷川満

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 先日、ブログ『長谷川満の親学講座』に「放てば手に満てり ~親の期待と不安を手放すということ~」http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/464754644.html
という記事を載せたところ、さちさんという方からこんなコメントをいただきました。


 「講演を聞いてから、子育て悩むたびに先生のブログを拝見させていただいています。
 幼稚園の子どもに、姑がおもちゃを毎月のように買い与えて困っています。何度か、夫にやめるよう伝えてもらいましたが、私たちのいないところであげています。
 孫への愛情があるから、とは分かっているものの、すぐ飽きるおもちゃばかりでゴミになります。この思いも、手放しすればいいのでしょうか。」
   Posted by さち at 2019年03月23日 18:15


 こういうことは本当によくありますね。
 このご質問に対してこんな回答をしました。


 「さちさん コメントありがとうございます。
 お姑さんがおもちゃを買い与えて困っていられるとのこと。お気持ちよ~くわかります。
 実は正直に申し上げますと、僕は孫にすぐ飽きてゴミになるようなおもちゃを与えているおじいちゃんなんです。実の娘の孫(幼稚園児)です。
 娘はいつも「ジイジにガチャガチャしてもらって良かったね。」と言っています。普段の生活では色々と我慢させているので、ジイジのところに来た時くらいわがままを聞いて甘えさせてあげたいと思っているようです。
 甘えの欲求を受け入れてあげることは、精神発達上必要なことだと元保育士の娘も考えているようです。実際は「細かいことは気にしていない」というのが本当のところです。
 子育ては、自分の思う『良い子育て』にこだわることなく、いい加減に、楽に、自然や成り行きに任せて「ま、いっかー」と受け入れて行くと楽だしうまく回ります。
 子育ては、子育てに良いこと2割、どっちでもいいこと6割、悪いこと2割くらいがいいように思います。子育てに悪いことも2割くらいあったほうがいいんですね。」
   Posted by はせがわみつる at 2019年03月24日 13:35


 子育ては、子育てに良いこと2割、どっちでもいいこと6割、悪いこと2割くらいがちょうどいいんです。
 悪いことを許すことで余裕が生まれ、より自然な子育てがしやすくなるからです。
 子育てにとって何が良いことで何が悪いことかなんて本当は決められないものです。
 親が良いと思う事が子どもの健全な発達をゆがめたり、逆に悪いと思う事が子どもの成長を助けたり・・。
 だから自分一人の価値観で子育てしようとせず、いろんな人に関わってもらう方が偏らなくていいように思うんですね。
 自分の思うような子育てをしようとすると、そこにはどうしても親のエゴが入り込んでしまいます。それは子どもの幸せよりも親の期待や安心を優先してしまうことにもつながりかねません。

 自分一人で育てているのではないんだ。
 夫や姑や地域の人々、幼稚園や保育園の先生、みんなに育ててもらっているんだ。だから自分一人の考えで育てようとせず、自然の成り行きに任せながらおおらかに育てていったらいいんだ。

 そんな風に感じてもらえたらいいなあって思っていたところ、さちさんから再びコメントをいただきました。


 
 「長谷川先生、ご回答をいただきありがとうございました。
 先生のコメントを読み、自分にとっての良い悪いは、必ずしも子どもにとっての良い悪いではないんだなと思いました。
 昨日は、姑が子どもと公園で遊んで、顔にすり傷をつくって帰ってきました。子どもは、ふだん私が危ないからと止めていた急な滑り台に挑戦したもののバランスを崩して着地に失敗したようです。
 傷は痛々しいのですが、とても成長した顔つきに見えました。
 私なら、ゴミだと買わないおもちゃも、ケガをしないように避ける遊具も、子どもにとっては貴重な経験になるのですね。
 大切な視点を教えていただき、ありがとうございました。」
   Posted by さち at 2019年03月31日 01:19


 さちさんにちゃんと思いが通じていました。

 自分が思う「良い、悪い」なんて一面的なものです。また世間的な「良い、悪い」も一面的なものです。
 子育ては「良い、悪い」というものさしでやるとのびのびした子育てになりません。「まあ、まあ、仕方ないか」と許していくところにこそ子育てのコツがあるのです。
 
 



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