岐阜県多治見市立滝呂小学校での講演会「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方」
どうすれば子どもの成績を劇的に向上させられるか。
「そんなうまい方法があるなら教えて欲しい。」
そういう声があちらこちらから疑問と批判まじりで聞こえてきそうです。
まず、皆さんにご理解していただきたいのは、子どもは勉強に対して全然本気で取り組んでいないということなのです。
これは皆さんが小中学校に通っていた頃のことを思い返せばよくわかることです。
「面白くない」
「邪魔くさい。面倒だ。」
「どうでもいい。」
勉強に対してそんな風に感じていたのではないでしょうか。
「今度は何点以上、何位以上を目指すぞ!」
毎回毎回、そんな目的意識を持って真剣に勉強した人は少ないのではないでしょうか。
つまり子どもたちは「いやいや勉強させられている」という超不効率な精神状態で勉強に取り組んでいるのです。
例えるなら、全くやる気がない営業マンみたいなものです。
このやる気のない営業マンが本気で「どうしたら売り上げが上がるのか」を考え、努力を惜しまずに頑張れば営業成績が飛躍的に伸びるのは想像に難くありません。
子どもも「いやいや勉強させらている」状態から、主体的・積極的に「どうしたらもっといい点数が取れるか」を真剣に考え、自分からそのように努力するようになれば飛躍的に成績が上がるのは当然です。
問題はいかにして子どもからそのような自発的なやる気を引き出すかということです。
これは非常に難しい問題です。
子どもの前向きなやる気、自発的な意欲というものを考える上で重要なキーワードがあります。
それが「自己肯定感」、「自己イメージ」、「あたたかい信頼関係」です。
様々な意識調査で「自己肯定感の高い子ども」ほど幸福感も高く、前向きな意欲も高いことがわかっています。社会的・経済的に成功している人もこの自己肯定感が高いと言われています。
自己肯定感とは、自分は自分でいいんだ、自分はOKなんだと思えること。自分を「良し!」と肯定できることです。そういう感覚を持てるように言葉をかけたり、接したりすることがやる気アップにつながります。
「自己イメージ」は自分に対して「自分は素晴らしいんだ、自分はできるんだ」という自信を持っている子の方がやる気になるし、努力もするということです。だから、その子の良い面に注目し、認めて褒めるとか、信頼して任せるとか、そういう良い関わりを通して「良い自己イメージ」を持ってもらうことがやる気につながります。
また自信が持てるような言葉をかけ、接していくことだけでなく、実際に成功体験を繰り返し体験してもらって直に「できる!」という感覚を持ってもらうことも大事です。
「あたたかい信頼関係」は、やる気というのは人間関係に非常に影響を受けるもので、浅田真央ちゃんだってお母さんが喜んでくれたというのが一番のモチベーションだったみたいだし、大好きな信頼できる先生に出会えたら「がんばろう!」となるのは当然です。
これらをまとめると、その子のそのままを受け入れ愛すると同時に、その子の良いところに着目し認めて褒めて、成功体験をたくさん積んでもらうようにして、信頼して任せるなど本人の意思を尊重した「あたたかい信頼関係」を築くようにしていけば、子どもの内から自発的なやる気が湧いてくると思います。
ただ、この関わりは学習意欲だけではなく、「前向きに生きる意欲」を引き出す関わりであるので勉強ではなく本来他の才能に恵まれている子どもに対してはそちらの方の意欲につながることもあるでしょう。
そしてそれはそれでとても幸せなことであるように思います。
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