第42回ペアレントセミナー『子育ては ただ飯食わせ 服着せて 布団に寝かす ことと知るべし』
3月29日(日)は第38回ペアレントセミナーの日でした。
テーマは「子どもを幸せに育てる親学講座」。
約20人の方が参加して下さいました。
親は子どもを「どう育てればよいのか」「どう育てたら賢くなるのか、強くなるのか」と考えますが、子どもを育てる上において一番大切なのは「だれが育てるのか」ということです。
これを言われると親はつらいですね。
自分はどうなのかが問われるからです。
親学とは
「親としてどうありたいのか。自分としてどうありたいのか。」
「子どもとどのような親子関係を築こうとするのか。」
そう自分に問いかけるものです。
次の詩を見て下さい。
詩 「子どもに求めるのではなく」
子どもに失敗させないようにする親ではなく
失敗した子どもを暖かく包んでやれる親でありたい
子どもを正しく導いていける親ではなく
子どもと共に学び、成長していける親でありたい
子どもの将来のためと心を鬼にする親ではなく
元気が一番、と仏の顔で笑っている親でありたい
あなたのためにと自分を犠牲にする親ではなく
あなたがいてくれるからと子どもに感謝する親でありたい
子どもにたくさんのことを与えてやれる親ではなく
子どもから喜びや幸せをいっぱい受け取れる親でありたい
こうあってほしいと子どもに求める親ではなく
自分はどうありたいのかと自らに問う親でありたい
by はせがわみつる
この詩で語られていることがまさしく親学の考え方です。
どうして親学を学ぶのか?
それは子どもを幸せに育てるためです。
では何が子どもの幸せにつながるのでしょうか?
実はハーバード大学で75年間にわたって卒業生268人に対して毎年、健康診断・心理テスト・聞き取り調査を行い「人を幸せにするものは何か」という研究が行われていました。
そして2009年にその研究成果が発表されました。
「何が人を幸せにするのか?」
その答えは実にシンプルで誰もが納得するものでした。
それは「あたたかな人間関係」だったのです。
そしてそれは主観的な「幸せ感」だけではなく、社会で活躍し経済的に恵まれている人の割合や専門分野で成功している人の割合もずっと高かったのです。
つまり子どもの幸せ、社会的自立に最も大切なものは周りの人々と「あたたかな人間関係」を作れるようになるということです。
そしてその土台となるものこそ「あたたかい親子関係」なのです。
では、あたたかい親子関係とはどのようなものなのでしょうか?
どのようにすればあたたかい親子関係を築いていけるのでしょうか?
それに対する答えが「親学10か条」です。(あくまでも僕個人の見解です)
親学10か条
1、 子どもの自己成長力を信頼する。
(信じて待つ)
2、 ありのままを愛する。
(そのままのあなたが大好き)
3、 子どもを尊敬する。
(もうすでにあなたは素晴らしい)
4、 子どもを親の思い通りに育てようとしない。
(自然にお任せする)*子どもは親の作品ではない
5、 子どもの思い、ペース、自由を大切にする。
(あなたはあなたのやりかたで、あなたのペースで)
6、 家族が仲良くする。
(許し合う、笑い合う、かたいことは言わない)
7、子どもの話を聴く
(関心を持つ)
8、子どもの存在を喜ぶ。
(生まれてくれてありがとう)
9、 親が幸せである。
(笑顔と感謝を持って暮らす)
10、家をのんびりできる場所にする。
(心が安らぐ居場所)
(今回のペアレントセミナーでは上の1番から3番までを解説し、次の第39回に4番から7番までを、第40回に8番から10番までを詳しく解説します。)
まず1、子どもの自己成長力を信頼する(信じて待つ)
子どもの自己成長力を信じていると過保護・過干渉になりません。
信じられないと過保護・過干渉になります。
子どもが自分の力で成長・発達・進歩・向上していくことが信じられないなら「親がなんとかしてやらないと」といらぬ世話をやいたり(過保護)、口出し(過干渉)をしたりすることになるからです。
子どもは自己成長力が発揮される環境さえ整えば、自分で改善、軌道修正していけます。
自己成長力が発揮される5つの要素として
1、笑う 2、喜ぶ 3、安心する 4、許す 5、感謝する
が挙げられます。
この5つの要素は「一緒にする」ことによって更にパワーアップされます。
「笑う」だけでなく「笑い合う」ということです。
親と子が、家族みんなが「笑い合う」「喜び合う」「安心し合う」「許し合う」「感謝し合う」ことが一番自己成長力を引き出すことにつながります。
次に2、ありのままを愛する(そのままのあなたが大好き)
心理学で4つの人生態度というものがあります。
1つ目が「私もあなたもOK」という自己肯定、他者肯定の<幸福者タイプ>
2つ目が「私はOK、あなたはOKではない」という自己肯定、他者否定の<嫌われ者タイプ>
3つ目が「私はOKではない、あなたはOK」という自己否定、他者肯定の<自信喪失タイプ>
4つ目が「私もあなたもOKではない」という自己否定、他者否定の<犯罪者タイプ>
1つ目の<幸福者タイプ>であれば人生を積極的に生きていけます。
ではどのようにすれば子どもをそのように育てられるのでしょうか。
その子のありのままを無条件に愛することによって、そのような人生態度が身につきます。
条件付きの愛情(いい子のあなたのときだけ愛してあげる)だと自己肯定感が育たず、2つ目や3つ目のタイプになりがちです。更に支配的な関わりで育てると<犯罪者タイプ>になることも。
子どものありのままを愛する、無条件に愛するとは言葉を変えていえば「子どもを変えようとしない」ということです。
親は子どもを変えようとして頑張るんですね。
でもいくら頑張っても子どもは変わりません。
子どもを変えられるのは子ども自身だけだからです。
誰も他人を変えることはできません。
だから子どもを変えようとする無駄な努力をやめて、「ダメなところがあるまま、欠点あるがままのその子を愛する」。
実はそのことこそが子どもの自己成長力を引き出し、子ども自身で変わろうとする勇気や力となるのです。
僕の詩で「人を強くさせるもの」というのがあります。
このダメな自分のまま
愛されている
これほど心強いことがあるだろうか
by はせがわみつる
ありのままを愛されることによって子どもは自信と勇気をもらうのです。
<後編につづく>
後編はコチラ→http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/416570444.html
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