オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
親学とは、子どもを育てるにあたって誰しも「どう育てればいいのか」と考えるわけですが、育てるのはこの自分自身であり、方法論よりも育てる親自身のあり方の方が大事なんじゃないかなあという発想から出発しています。
たとえば子どもが小学校に入学して最初に気になるのが、どんな先生にあたるかということがあると思います。
先日、妻がテレビで著書「五体不満足」で有名な乙武さんが、小学校の先生をされていた時のドキュメントを見て感動していたのですが、その中でも一番感激していたのが、子どもがいいことをした時に、わざわざお家に電話をかけて「今日、~くんがこんないいことをしてくれました」「今日、~さんが手伝ってくれて本当にたすかりました」と言われる。
乙武さんは「先生からの電話って、たいがい何か悪さをしたとか、いい電話が少ないじゃないですか。そうじゃなくて、先生からかかってくる電話は何かいいことをしたからって、なんかいいじゃないですか。そして、子どもたちがあとで親にほめられる、ほめられた子どもたちは幸せな気持ちになるだろうし、人の役に立つってなんか気分いいな、なんて思うかもしれないし・・、ねっ、いいって思いません?」と仰っていたそうです。
こんな先生に習うことが出来たら、子どもの教育にとってそれはとても素晴らしいことだと思うのです。
ましてや、親とは毎日同じ家で暮らすのですから、自分が「どんな親」であるのかというのは、子どもの教育にとって一番大事だと思うのです。
毎日を感謝して楽しく暮らしている、人のいい所を見る、大らかでプラス思向、そんな親が子どもを育てたら自然といい子に育つ、というのが親学の基本的な考え方です。
これは「子どもに求める教育」から「親自身が自分を見つめ直す教育」への転換です。
あともう一点、親学が大切にしているのは「親子関係」です。
温かくて受容的で信頼し合える親子関係が、子どもの健全育成には欠かせません。
まとめますと、親学とは「子どもをどう育てるか」ではなく、「親として人間としての自分のあり方」「どのような親子関係を築こうとするのか」を考えようとするものです。
子どもに望んだり求めたりするのではなく、親自身が自分を見つめ直し人間的に成長していくことによって、子どもの健全な成長を助け、そして引いては親も子も幸せに暮らしていくことを目的とするものです。
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