オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
フランスの思想家ルソーは、幼少年期にふさわしい教育として「消極教育」を提唱しています。
「消極教育」とは、大人側からの強制的な教え込みを否定し、子どもの個性に合わせて、子どもの発達を援助しようとするものです。
彼は「自然がつくるものはすべてよいものであるが、人間があれやこれやと手を加えると悪くなってしまう」という考え方から、大人が子どもの将来を先取りして、積極的に教え込もうとする積極教育を批判しています。
ルソーやフレーベルが今の幼児教育の基礎をつくりました。彼らは子どもに対して、畏敬の念とも呼ぶべき感情を持っており、子どもに神性(善性)を見ていました。
今日の教育の根本的問題点は子どもを大人より未熟な存在とみなし、リスペクト(尊重する、尊敬する)の気持ちを持たず、子どもを大人の思い通りに育てようとするところにあるのではないでしょうか。
子どもには自ら向上し成長していこうとする自己成長力が宿っています。
その自己成長力を信頼し、それが最適に発揮できるよう環境を整え、援助すること。
そして最大の環境とは親自身であることを再認識することが大切であると思います。
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私が提唱している「無為の子育て」の原点の一つがこのルソーの「消極教育」にあります。
無為とは、はからい心を捨てて自然の流れにお任せしていこう、という姿勢やあり方で、「無為の子育て」とは次のようなものです。
子育てや教育の失敗の多くは愛情や期待からの「やり過ぎ」「教え過ぎ」から来ています。
気張り過ぎた子育てや、頑張りすぎの教育が子どもを苦しめ、親自身を苦しめています。
気張ると心の余裕がなくなります。気張るのではなくもっと力を抜く。
「ま、いっかー」と少しいい加減になって、肩の力を抜く。
そうすれば心に余裕が生まれます。
心に余裕が生まれてくると子どものこともちゃんと見えるようになって適切な対応ができるようになるのです。
無為の反対は「作為」。
作為とは、こうしたら上手くいくやろうと色々とはからうことです。
この「はからい心」は子どもを親である自分の思い通りにしたいという支配欲だと言うこともできるでしょう。
子どものため、子どものため、と自分では思っていたけれど、よくよく心の中をのぞいてみれば親である自分の支配欲や親のエゴだったりすることはよくあることです。
そういう親である自分自身の支配欲やエゴから子どもを守るためにも、親の意向で何かをさせる「作為的行為」はできるだけ控えるようにして、子どもの自己成長力を信じ、自然にお任せしていく子育てが親も子も幸せに、そして子どもを最も伸ばしてくれる子育てであるように思います。
人権講演会、教育講演会を行っています。
http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/
*学校の先生にぜひ読んでほしいコラム記事
「学校現場で子どもの自己肯定感を高める方法」
https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5105725/