第33回ペアレントセミナー「自己実現を助ける『物の見方考え方』」 

長谷川満

長谷川満

テーマ:ペアレントセミナー

 昨日は第33回ペアレントセミナー「自己実現を助ける『物の見方考え方』」がありました。
 30数名の方が参加して下さいました。



 ブログの読者の方で大阪の阿倍野区からわざわざ来て下さった方もおられました。
 リピーターの方も多く、いつも来て下さる方の元気なお顔を見られて嬉しかったです。

 さて、どんなお話しをしたかというと、

 人間には「自我(エゴ)」と「自己(いのち)」があります。
 自我は、意識している自分、損得や人の目を考える自分、後天的な自分です。
 自己は、無意識の自分、生まれつきの個性的な自分、いのちいっぱいの自分です。



 「いのち」あるものはすべて成長し、自分がなるべきものになろうとします。
 ひまわりの種はひまわりになろうとし、猫は猫になろうとします。
 これを心理学用語で「実現傾向」といいます。
 もちろん人間以外の生物は自らが成長していこうとする意志を持っていることを知りません。
 人間だけが「いのち」の意志、「いのち」の願いを知り、自我(エゴ)と自己(いのち)とが一体となって、自分がなるべきものになるのです。
 それが人間の自己実現です。
 人間の自己実現は、社会の中で社会に有用な形でなされる必要があるので、自我のコントロールが必要となります。
 しかし問題は自我の力が強すぎることによって、「いのち」の願いを押さえ込んでしまうところにあります。



 たとえばあなたが自分の実の父親を嫌っていたとします。
 意識の上では「父が嫌い」です。
 でも本当の気持ちは「嫌い」なのではなく、「父に愛されたかった」かもしれないのです。
 昔々、まだ幼い頃にお父さんに愛されたいと望んでいたのに愛してもらえなかった・・。
 事実は別にして、自分はそう感じていた。
 そのときその辛さから逃れるために、父のことが「嫌い」なのだと自分の思いを無意識にすり替えてしまうことがあるのです。そうすると「父に愛されたい」「父と仲良くしたい」という思いは気づかれなくなるのです。
 「いのち」の願いは「父に愛されたい、仲良くしたい」のに、意識は「父が嫌い」であれば「いのち」の願いとは逆の行動ばかりになってしまいます。これではいつまでたっても心は満たされません。



 ところで自己実現の反対って何だと思われますか?
 自己実現の反対は「自己安全」です。

 自己実現は「いのち」の働きで、危険を冒してでも自分の可能性を実現していこうとします。
 これは開拓者精神、チャレンジ精神です。
 
 自己安全は自我の働きで、いつまでも変わることのない安定した自分でいようとします。
 これは変化を嫌う「安定志向」です。
 ですから、自我は「いのち」が冒険しようとするのを絶えず止めようとしています。

 一人の人間の中に二つの衝動があるのです。
 この二つの衝動が協力して自己実現がなされるのに、自我が「いのち」を押さえ込んでしまうということになりがちなのです。

 その結果、「いのち」の声が全然聞こえなくなって、自分の「いのち」が何を望んでいるのかが、さっぱりわからなくなってしまうのが問題なのです。
 では、どうすれば「いのち」の声や願いが聞こえるようになるのでしょうか?

 「いのち」の声はいつも「~をやりたい」「~がしたい」と願望の形をとります。
 それに対して自我の声はいつも「~すべき」「~しなければならない」という義務の形をとります。

 ですから皆さんは自分にこう問いかける必要があるのです。
 「あなたはどうしたいの?」
 また子どもにも同じように問いかけてあげて下さい。
 「どうしたい?」と。


 (後半http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/369405873.htmlに続く



 
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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

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