オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
8年間もの試行錯誤の上、誰もやれると思っていなかった無農薬・無肥料でのリンゴ栽培に成功し、腐らない「奇跡のリンゴ」で知られる自称「りんご手伝い業」木村秋則さんの言葉。
「人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花ひとつも咲かせることは出来ないんだよ。
そんなことは当たり前だって思うかもしれない。
そう思う人は、そのことの本当の意味がわかっていないのな。
主人公は人間じゃなくて、リンゴの木なんだってことが、わからなかったんだよ。
自分がリンゴを作ると思い込んでいたの。
自分がリンゴの木を管理しているんだとな。
私に出来ることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。
失敗に失敗を積み重ねて、ようやくそのことがわかった。
それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかったな。」
これって、子育てにも言えますよね。
>主人公は親じゃなくて、子どもなんだってことが、わからなかったんだよ。
>自分が子どもを育てると思い込んでいたの。
>自分が子どもを管理しているんだと。
>親に出来ることは、子どもの手伝いでしかないんだよ。
>失敗に失敗を重ねて、ようやくそのことがわかった。
ほら、こうしてみるとピッタリくるでしょ。
一緒なんですよ、育てるってことは。
あ、そうそう、木村さんはこんなことも仰っています。
「無心になって作業を続けるうち、いかに自分が今まで“育ててやってる”って、
上から見下ろす傲慢な考えだったか知らされてね。
やっぱりよ、りんごの立場で考えないと。主役はりんごなんですよ。」
「あんだけよ、りんごの花を美しいと思った時はないね。
うれしかったし“おまえもよく頑張ったな”って、
りんごの木に褒めてもらって、認めてもらったようで涙が止まらなかった。」
私たち親も、知らず知らずのうちに、子どもに対して傲慢になっているような気がします。
もっと子どもに寄り添う姿勢で、もっと後ろで見守る姿勢で、もっと控え目で謙虚な姿勢で子どもに対する必要があるように思います。
そして、子どもがいつか大きくなって、
「お母さんの子でよかった、お父さんの子でよかった。
今、オレ、めっちゃ恵まれてたんやなあって思う。
この家の子でよかったって心から思う。ありがとう。」
て、子どもから褒めてもらって、認めてもらって、子どもが咲かせた幸せの花を見せてもらって・・、そんな幸せなことはありません。
木村さんは、土の上ばかりを見ていた間はリンゴは育たなかったと言います。
見えない土の下にこそ、無農薬・無肥料でリンゴを育てる全てがあったと言います。
木村さんは見えないところ、見えないものこそが大切だと言います。
「ベランダの花も優しい声をかけると長くさいてくれる。
猫も、私や妻の足音を聞き分けて走ってくる。
目に見えない力を信じると、心が丸くなる。」
子育ても目に見えないものを大切にしていく。
親は子どもが育つのを助ける豊かな土になる。
子どもを温かく包む「 土 」があればこそ、きっと子どもの根っこも太くたくましいものに育つのだと思います。(木村さんのリンゴの木の根の長さは通常のリンゴの木の2~3倍あるそうです)
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