スロー子育ての提案

長谷川満

長谷川満


 今、私たちの社会、とりわけ職場環境において、私たちは効率性やスピード、目に見える成果ばかりを求められています。
 仕事である限り、それは仕方のないことなのかもしれませんが、その効率性重視、成果重視の考え方が、本来最も人間らしい営みである子育てや教育にも広がってきているように思います。

 子どもたちが親や教師から求められるのは、「~が出来るようになった」「~点上がった」という成果であり、より良い成果を出すことが教育の目的のようになっています。
 子育てや教育の意義は、自立した立派な大人に育て上げることだけではなくて、親も子も共に泣いたり笑ったりしながら、二度とない子育て期間をゆっくりと味わい、楽しみ、幸せに過ごすこと。そしてそれらを通じて親も子も共に成長することの中にこそあります。

 楽しんでいっぱい本を読んだ子が自然と国語力がつくように、子育てをいっぱい楽しんだからこそ、自立した幸せな大人に育つのだと思います。
 成果を目的とするのではなく、過程を楽しむ子育て。
 それが「スロー子育て」です。



    < スロー子育ての考え方 >


 1、見守る、合わす、待つ

 育つ主人公は子どもです。
 親は子どもが健やかに育ちゆくのを見守り支える存在です。
 子どもを植物に例えるなら、親は「 土 」です。
 子どもの心の根がしっかり張れるように、柔らかく温かい土になりましょう。
 直接的に成長・向上を促そうとするのではなく、環境を整えることによって間接的に成長を促すようにします。
 子どもの個性、発達に合わせてしつけや教育を行います。
 親の希望をおしつけることは控えます。
 子どもの自己成長力を信頼し、それに任せていく子育て。
 それは「信じて待つ」教育です。
 
 2、ありのまま、自然体

 いい親になろうとしない。いい子に育てようとしない。
 「ムリしない」「フリしない」「気にしない」子育てを心がける。
 親も子もありのままで自然体。「ま、いっかー」が合い言葉。
 欠点は直すのではなく、許し合う。
 相手のペースを尊重する。急かさない。
 「遊びたい」「休みたい」「やめたい」といった自然な心を大切にする。
 我慢しない子育て。がんばらない子育て。

 3、多くを望まない、求めない

 子どもに多くを期待すると、塾や習い事に忙しくなるだけでなく、子どもを叱ることも増えてしまいます。
 「元気であればそれでいい」と子どもに対する欲を減らせば、もっとゆったりと子どもに接することが出来ます。
 「少欲」は子どもも親も楽に自由にしてくれるキーワードです。
 「知足常楽」という言葉があります。
 足ることを知れば常に幸せでいられる、という意味です。
 足ることを知れば、子育ても楽しめます。
 


 
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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

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