「子供の学費は学資保険で」本当にそれでいいのでしょうか。
平成24年度の子どもの学習費は、幼稚園から高校まで15年間、国公立で通った場合、全部で約500万円。高校卒業後、大学に入学する場合、国公立大学で入学料・授業料の他、教科書代や専門によっては実験実習費など合計すると300万円~500万円。さらに、自宅を出て大学に通うとなると、準備金や家賃・生活費が別途かかり、一般的には、幼稚園から大学まで1000万円前後はかかる計算になります。
教育資金に備えるため、学資保険に加入する人が大変多くいらっしゃいます。学資保険は、学校などの入学時に合わせてお金が受け取れたり、特約を付けた場合、被保険者である子どもが病気・ケガばどで入院すると保険金が給付されます。また、契約者である親に、もしものことがあった際、その後の保険料払込が免除されるため、子どもが生まれたらすぐに加入を検討する、という人も少なくありません。
ただし、入学にかかるお金をすべて保険で賄おうと思うと、保険料がかなり高くなり、学資保険に加入することで、現状の生活を圧迫する可能性もあります。今後、学費として支払いが可能な部分を除き、その時点で足りなくなるかもしれない金額を算出することで保険料を抑えることも考えていただきたいと思います。
学資保険は、以前は高利回りの商品が多かったのですが、最近は実際に払った保険料よりも受け取れる金額が少なく、結果的に損をする商品もあります。加入前にしっかり確認してください。
また、大学入学時に合わせて、解約返戻金を受け取るよう設定した低解約返戻金タイプの終身保険に加入する方法もあります。このタイプの保険は、被保険者(親)が死亡した時に受け取れる死亡保障が高く設定できる、というのがポイントです。その死亡保険金を学費に充てることができます。また、払込満了後、学費に充てる必要がない場合には、解約せずに置いておくことで返戻金が増えていきます。
しかし、払込途中に解約すると受け取れる金額が少なくなり元本割れすることが多いので、無理せず支払いを続けられる保険料にしましょう。また、保険料率の改定により、大半の商品が以前より利回りが下がりました。学資保険同様、しっかりと比較検討が必要です。
なお。近年は必ずしも親が大学費用等の全額を捻出しているわけではありません。奨学金を受給している学生の割合が多くなっており全大学生の50%以上の2人に1人が奨学金を受給しながら、大学に通っているのです。
2015年からは卒業後に地方に一定期間就職すると、奨学金の返済を支援するための官民共同の基金が設立される方針なので、条件が合えば、奨学金制度を利用しやすくなるかもしれません。
しかし、奨学金の貸与型(返済義務有)や教育ローン等でも結局は借金。借り過ぎると、後々の負担が大きくなり支払えなくなることもあり、注意が必要です。
長い目で家計の収支を見て、親子共に無理なく暮らしていけるマネープランを組み立てたいですね!
※同様の記事を専門家サイト「JIJICO」に寄稿させていただきました。よろしかったらご参照ください。
教育費の備えに「学資保険」王道に潜む注意点:
http://jijico.mbp-japan.com/2015/01/08/articles14577.html
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