筋膜リリースには種類がいっぱい!【岐阜市の理学療法士のコラム】
最近、「ファッシア」という言葉が、よくTVの健康系番組やコーナーで取り上げられるようになりました。
「ファッシア(Fascia)」は、以前「筋膜」として取り上げられていたものです。
「筋膜リリース」が「ファッシアリリース」と名を変えたようなものになります。
※厳密には「筋膜リリース」は「Myofascial Release」ですので、正確でありません)
筋膜・ファッシアへのアプローチは、身体の調整と向上を目指す重要な手法の一つです。
当スタジオでは特にこの領域に重点を置き、筋膜・ファッシアを調整し全体を整えたうえで、個別の筋・関節・神経や内部機能障害に対してアプローチを行っています。
言葉としての「筋膜リリース」は「マッサージ」と違い医療用語ではありませんので、どんな方でも「筋膜リリース」として業(お金をいただく)を行っても良いことになっています。(※マッサージは医師、理学療法士、あんまマッサージ師等特定の職業しか「マッサージ」と掲げて行ってはいけません)
そのため、特に医療的背景を持たない場所ではマッサージの言い換えとして筋膜リリースと称することも多々あるように思います。
その上で、代表的な筋膜リリース(ファッシアリリース・ファッシアへのアプローチ及び筋膜・ファッシアへアプローチを行っていると思われるもの)は以下のものになりますが、それぞれ理論・背景・技術的特徴などが違います。
・Fascial Manipulation
・John F. Barnes Myofascial Release Approach
・オステオパシー
・ロルフィング
・グラストン・テクニック及びその派生
・専門的な技術を習得した者によるフォームローラーやボールを用いた方法
・その他のDMR(直接的筋膜リリース)やIMR(間接的筋膜リリース)など
広義でくくればマッサージ的技術も当てはまらなくはありませんが、「筋に対して行った結果筋膜・ファッシアにも効果が・・・」というものと、「筋膜・ファッシアに対してしっかりとした理論のもと行われる筋膜・ファッシアアプローチ」ではその効果は大きく違います。
筋や関節自体に問題がなく、また医師の方による診断(特に画像所見)においても原因がはっきりしない場合や、それらの筋や人体の各組織が「うまく働けていない」場合は筋膜・ファッシアへのアプローチが重要になる可能性があります。
筋膜・ファッシアへのアプローチは、特定の部位ではなく、からだ全体のファッシアバランス(ファッシアの張力)を整えることで身体各部や内部機能の働きを改善し、それが痛みや不調の軽減や柔軟性の向上につながります。ただし、その効果を感じるためには、どの手法が自身に最も適しているかを見極めることが重要です。
「筋膜リリース」という表現だけにとらわれず、本当に「筋膜・ファッシア」に対してアプローチしてくれているのかを含め、自らの身体に合った方法をぜひ見つけてみてください。



