フィンランドで認知症死亡が多いのは何故?
魚類の摂取で認知症予防?
こんにちは。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今日は‘魚類の摂取で認知症予防?’という報告です。
英国・ウルバーハンプトン大学の研究者らは、魚類の摂取と認知症リスクおよび用量反応との関連性を評価し、低、中、高所得国におけるこれらの関連性の変化について調査を行った。新たにコミュニティベースの横断研究および文献レビューを実施した。対象地域は、中国の都市部と農村部。中国の6つの省における60歳以上の中国人6,981例が、認知症の有病率とリスクファクターに関する健康調査に参加した。
主な結果は以下のとおり。
・新たな中国の調査では、326例(4.7%)が認知症と診断された。過去2年間に一定量の魚類を摂取していた人は、魚類を摂取していなかった人と比較し、認知症リスクが低下していた。
・文献および新たな研究から得られたデータによる解析では、魚類を摂取していた人の認知症の相対リスクは、0.80倍であり、その影響は、所得水準の異なる国々でも同様であった。
・アルツハイマー病に関する相対リスクは、低所得国で0.88倍、中所得国で0.79倍、高所得国で0.67倍であった。
著者らは「より多い魚類の摂取は、認知症リスクの低下と関連が認められた。魚類の摂取量を増やすことは、所得水準にかかわらず、世界中の認知症予防に役立つと考えられる」としている。
以前から魚類などに含まれるEPAやDHAが脳に好影響を及ぼすことは実証されていましたが、今回の中国での検討でもそれが証明された様です。日本人は元々は魚類を多く摂取する民族でしたが、最近は食生活の欧米化により魚類を摂取する頻度が低下しているのかも?知れませんが、やはり魚類は色々な意味で積極的に摂取した方が良い食材であるのは間違いなさそうですね...