体格指数(BMI)22が理想ってホント?
家庭の経済状況は未就学児の肥満にも影響?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘家庭の経済状況は未就学児の肥満にも影響?’という報告です。
家庭の経済状況は、未就学児の肥満率に影響を及ぼす可能性のあることが、東北大学大学院の研究グループの検討で分かった。特に時間的な余裕がない家庭において、経済状況が幼児の肥満リスクに関連していたことが示唆され、研究グループは「暮らし向きは、幼児の肥満の原因の一つに挙げられるのではないか」としている。家庭の経済状況は、学童期における肥満のリスク因子の一つとされているが、未就学児における関連は明らかにされていない。研究グループは、家庭の経済状況と未就学児の肥満との関連を検討するため、保育所に通う4歳児を対象とした観察研究を行った。
研究グループは、仙台市内の認可保育所に通う未就学児を対象に横断研究を実施した。家庭の経済状況に関しては、両親に暮らし向きや生活の中の時間的なゆとりについて尋ね、その回答から評価。対象とした子どもを「ゆとりがある」「どちらともいえない」「あまりゆとりはない」「全くゆとりはない」の4つの群に分けて解析した。なお、肥満は男児が体格指数(BMI) 17.47kg/m2以上、女児は17.19kg/m2以上と定義した。
対象とした子どもの肥満率は6.8%であった。解析の結果、家庭の経済状況にゆとりがないと未就学児が肥満となる確率が有意に上昇することが分かった(ゆとりがある場合と比べた全くゆとりがない場合の肥満の危険率2.31倍)。研究グループは「今回の解析では、認可保育所で給食を利用する子どもが対象となっていたが、こうした中でさえも家庭の経済状況が肥満の頻度と関連していた。また、特に時間的な余裕がない家庭の子どもにおいて、家庭の経済状況と未就学児の肥満との間に強い関連がみられた。家庭の経済状況は食生活と関連しており、例えば暮らし向きに余裕がない家庭では加工食品やファストフードの頻度が高い傾向にある」と分析。未就学児においても、家庭の経済状況は肥満のリスクを高める可能性があると結論づけている。
以前は肥満は裕福さのある意味象徴とされていた時期もありましたが...最近では安価で高カロリーの食事を摂取することが可能となってたため、肥満は経済的困窮の指標の一つともなってしまった様です。小児期の肥満はひいては成人期の肥満にも繋がり、生活習慣病の原因ともなりますから注意が必要と思われます!