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断らない救急、患者集中で破綻?

佐藤浩明

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テーマ:救急医療

断らない救急、患者集中で破綻?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘断らない救急、患者集中で破綻?’という報告です。

 千葉日報の記事によりますと...
 6月千葉県議会は21日、一般質問が始まり、県は搬送先が決まらない救急患者を必ず受け入れる病院を事前に指定し、代わりに経費を補助する事業(昨年8月に千葉市内の3病院で開始)が、対象病院からの「搬送集中」の訴えで、停止していると明らかにした。対象病院の拡大を図り、今冬までに再開したい考えと議員の質問に答えた。

 同事業は、2015年時点の消防庁調査で本県の平均救急搬送時間が東京都に次いで全国2番目に長い状況も踏まえ、試行的に開始。搬送時間の長さは病院が決まらないことが要因で、これを回避する狙い。試行は千葉医療圏(千葉市内)を対象とし、同市消防局とも調整した上で、同市中央区の千葉大病院と若葉区の民間2病院を指定した。県は、専用の病床を確保するための人件費などの補助に3病院で計約3400万円を予算計上した。

 しかし、今年3月、対象のうち民間2病院から「搬送件数の増加で負担が過大となり、参加を見直したい」との申し出があった。
実施協定は年度単位のため同月末まで継続したが、4月以降は停止。県は本年度も事業の継続を前提に同額の予算を組んでいる。現状で大きな影響は出ていないが、県、千葉市消防局ともに、インフルエンザなどで搬送患者が増える冬までの再開を模索。搬送先が集中しないように対象病院を増やす方向で市内の医療機関と改めて調整する。

 元々、断らない救急という発想に無理があるわけで...破綻するのは当然と思われます。3病院に約3000千万ということは1病院につき1000万程度の補助ですからそれで断らない救急をやれというのが鼻から無理と思われます。よく、マスコミはたらい回しという言葉を使いますが、救急外来を見ていた側からすると受け入れる余裕があれば受け入れるわけで...別な救急患者を引き受ければその時点で診察している患者さんもみられなくなるわけですからたわい回しではなく診療困難なのです。自治体は医療体制の維持にはそれなりのお金がかかるのだということをもっと意識して欲しいものです!

18.6.23 紫陽花

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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