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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

卵1日1個で心血管疾患リスク低下?

2018年5月27日

テーマ:医療界の新発見?

コラムカテゴリ:医療・病院

卵1日1個で心血管疾患リスク低下?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘卵1日1個で心血管疾患リスク低下?’という報告です。

 卵を1日に1個を食べている人は、全く食べない人と比べて心血管疾患(CVD)リスクが有意に低下する。他の高所得国と比べて中国で罹患率が高い出血性脳卒中の発症リスクが26%、死亡リスクが28%低下するなど、CVDリスクが低下したという。中国・Peking University Health Science Centerの研究者らが中国人50万人を対象とした研究の結果を発表した。

 今回、同氏らは、2004~08年に中国の10地域で登録した30~79歳の中国人51万2,891人を対象としたChina Kadoorie Biobank研究のデータを用いて、卵の摂取とCVD、虚血性心疾患、主要冠動脈イベント、出血性脳卒中、虚血性脳卒中との関連を検討した。

 卵を毎日摂取していた人は、ほとんどまたは全く摂取していなかった人に比べて全ての心血管リスクが低下していた。CVDリスクが11%、虚血性心疾患リスクが22%、主要冠動脈イベントリスクが14%、出血性脳卒中リスクが26%、虚血性脳卒中リスクが10%低下した。卵を毎日摂取していた人ではほとんどまたは全く摂取していなかった人に比べてCVD死リスクが18%と出血性脳卒中死リスクが28%(同0.72、0.62~0.84)低下していた。

 同氏らは「この研究は観察研究で因果関係を証明するものではないが、卵を1日に1個程度摂取することで心血管リスクが低下することが分かった。この研究結果は、健康な中国人に対する卵摂取の指針における科学的エビデンスとして貢献できると考えている」と述べている。

 卵は以前から安価で栄養価も高い食材として考えられていましたが、コレステロール含有が高いという理由で敬遠されていた時期もありました。しかし、最近は心血管疾患発症リスクには影響しないという報告が続々と報告されており、改めてその食材としての有用性が見直されてきているのではないかと思います。

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佐藤浩明

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