今冬はインフルエンザワクチン不足?
インフルエンザワクチンはやはり有効?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘インフルエンザワクチンはやはり有効?’という報告です。
有効性が低いインフルエンザワクチンでも、米国民の約40%が接種することでインフルエンザ感染者は2100万人減り、インフルエンザによる入院者数が約13万人、死亡者が約6万人減ることを示した研究結果が発表された。この研究を実施した米イェール大学の研究者らは「インフルエンザから人々の命を守るためには、ワクチンの有効性の程度よりも、どれだけ多くの人がワクチンを接種するかの方が重要であることが明らかになった」としている。
同氏らは今回、インフルエンザワクチンの有効性が低かった場合の集団における感染者数やインフルエンザに関連した入院者数および死亡者数などへの影響について分析した。その結果、誰もインフルエンザワクチンを接種しなかった場合、通常の流行レベルでも1回のインフルエンザシーズンに約7700万人が感染し、約13万人が死亡し、約47万人が入院すると推定された。しかし、ワクチンの有効性がわずか20%であっても、米国民の43%がインフルエンザワクチンを接種すれば、誰もワクチンを接種しなかった場合と比べて死亡者数が半減することが分かった。
さらに、同氏らは今回の研究で、ワクチンの接種率と有効性のどちらがインフルエンザによる死亡者数により強く影響するのかについても比較検討した。その結果、ワクチンの有効性が40%の場合、接種率が40%から20%に低下するとインフルエンザによる死亡者が3万9,738人増加すると推定された。一方、ワクチンの有効性が40%から20%に低下し、接種率を40%に維持した場合では、インフルエンザによる死亡者は2万8,343人の増加にとどまっていた。このことから、集団におけるワクチン接種の有効性とは、ワクチンそのものの効果よりも接種率の方が重要であることが示された。
では、具体的にはどのような層でワクチンの接種を推進すべきなのだろうか? 同氏は、「30~39歳の男女」をワクチンの接種率を向上させるべき層として挙げている。同氏によると、この年齢層はワクチン接種率が最も低い一方で、子どもや高齢の両親と接する機会も多いため、インフルエンザウイルスの“橋渡し役”になりやすい。小児と高齢者はインフルエンザの感染リスクや死亡リスクが特に高い層であることから、同氏は「若い成人は、自分自身のためだけでなく、家族や愛する人のためにもワクチンを接種すべきだ」と強調している。
昨シーズンは日本でもインフルエンザが大流行しましたが、私の個人的な印象ではありますが...昨シーズンはワクチン未接種の方々の多くがインフルエンザに罹っていた様に感じました。実際にインフルエンザワクチンを接種してもインフルエンザになっている方も散見されましたが、概して症状も軽いことが多いという印象でした。上述の様に確かに30代の方々は忙しさにかまけてワクチン接種をしていない印象ですので来季以降は積極的なワクチン接種をお勧めします!