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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

インフルエンザに関する8つの最重要点!

2018年1月20日

テーマ:インフルエンザ

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: インフルエンザ対策

インフルエンザに関する8つの最重要点!

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘インフルエンザに関する8つの最重要点!’という報告です。
 超一流医学雑誌Lancetにおいてインフルエンザに関する記載があり、これが世界最新のインフルエンザの知識で最重要点は次の8点です。

【Lancetセミナー「インフルエンザ」の8つの最重要点】
1. 世界的流行を起こすのはインフルエンザAでありBは起こさぬ
2. インフルエンザの流行は平均再生産数(1人が平均何人に感染させるか)1.28で発病率は10~20%だそ
うです。インフルエンザ患者1人が平均1.28人に感染させるという意味です。
3. インフルエンザ診察はサージカルマスク着けよ。気管支鏡ではN95
4. ウイルス排出は発症初期1、2日がピーク、この時期に迅速検査せよ。ただし、迅速検査の感度は59~9
 3%で実は偽陰性も多い
5. 抗インフルエンザ薬は発症48時間内が効果的、健康成人で症状を1日未満短縮
6. 抗インフルエンザ薬は重症患者で肺炎(危険率 0.56倍)、入院期間(同0.37)を減らす
7. 予防に最も効果的なのはワクチン!65歳以上、妊婦、小児、免疫不全、医療者で推奨!—ワクチンは日
本でも生後6カ月未満には認可されていませんので、母親のワクチン接種が乳児の予防につながります。し
かし、妊婦は副作用を恐れて接種したがらないのが現状です。妊婦のワクチン接種により母体、胎児での
副作用は増加しません。妊婦の接種を推奨せよとのことです。
8. ワクチン株と流行株が一致すればワクチン有効率は50~60%
 WHOは次のシーズンの流行に対して推奨を年2回行います。北半球では2月、南半球では9月です。反対
側の半球に旅行しようとしている場合は予防が難しいそうです。ワクチン株と流行株が一致していれば有
効率は50~60%だそうです。
*西伊豆健育会病院病院長 仲田 和正先生の医療記事を抜粋、改変

 私はインフルエンザワクチンは発症予防のワクチンではなく、重症化予防のワクチンという認識でしたが、この報告によると流行株が一致すれば有効率は50-60%の様ですからかなりの確率で予防効果もある様です。ただ、別の見方をするとワクチンを接種している方はインフルエンザに関する意識が高い方でもありますからそれも影響している可能性は否定できないかとは思います!

18.1.19 イルミ

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佐藤浩明

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