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果物とトマトの摂取で肺機能低下を抑制?

佐藤浩明

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テーマ:医療マメ知識

果物とトマトの摂取で肺機能低下を抑制?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘果物とトマト摂取で肺機能低下を抑制?’という報告です。

米・Johns Hopkins Bloomberg School of Public Healthの研究者らは、環境因子が呼吸器に及ぼす影響を検討する欧州の多施設研究European Community Respiratory Health Survey (ECRHS)の参加者を対象に、食事から摂取する抗酸化物質と肺機能の関係を検討。その結果、果物とトマトの摂取が成人、特に前喫煙者の肺機能低下を遅らせる可能性が示唆されたと報告した。

 食事から摂取する抗酸化物質が成人の換気機能を改善するなど、食事による肺機能の改善を示唆する研究結果も報告されている。そこで同氏らはECRHSに参加した中年成人を対象に、食事から摂取した抗酸化物質によって10年後の加齢に伴う肺機能低下を抑制できるどうかを検討した。

 多変量解析により身長、年齢、国、性、喫煙状況、社会経済状態、BMI、総エネルギー摂取量、身体活動、教育年数などを調整した結果、果物(リンゴ、バナナ、オレンジ、ナシ、ベリー)の総摂取量の増加は肺機能の低下を抑制した。また、リンゴ、バナナ、トマト、ハーブティー、ビタミンC摂取量の増加も年当たりの肺機能の低下抑制に関連していたが、トマトのみで有意な関連が認められた。

 今回の研究結果から、1日にトマトを1個未満摂取した人と比べて2個以上摂取した人、生の果物を1人前未満摂取した人と比べて3人前以上摂取した人は、肺機能の低下が遅延することが示された。

 以上から同氏は「肺機能の低下は30歳前後で始まり、個々の健康状態に応じた速度で進行する。今回の結果から果物を多く含む食事を摂取することで、一度も喫煙したことがない人でも加齢に伴う肺機能の低下を抑制し、過去に喫煙し、その後禁煙した人でも肺の傷害を修復できる可能性が示唆された。特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような呼吸器疾患発症リスクが高い人に果物を摂取することを推奨する必要があるかもしれない」と述べている。

 まずは禁煙することが一番であることは論を待ちませんが、果物やトマトを積極的に摂取することは喫煙者なら尚更、心掛けた方が良さそうですね。

18.1.9 イルミ

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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