若年糖尿病では合併症に注意?
食べ順ダイエットの決めてはカーボラスト?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘食べ順ダイエットの決めてはカーボラスト?’という報告です。
わが国で食後高血糖を避けるための食事法として広く知られるものには、糖質制限食と食べ順ダイエットがある。特に食べ順ダイエットは、食物の選択余地が少ない東日本大震災の避難者などに対する血糖管理法として日本糖尿病協会が推奨しており、べジ・ファースト(野菜を最初に食べるの意)の名で多くの人に知られている。
このたび、米国ウェイル・コーネル医科大学のグループから、欧米人においても食べ順ダイエットが食後血糖管理に有効であり、その要諦がべジ・ファーストというよりも、カーボ・ラスト(糖質を最後に食べるの意)であることが示されたのでご紹介したい。
本研究では、35~65歳で体格指数(BMI)が25~40の2型糖尿病患者が対象とされた。被験者には同じ試験食を3パターンの食べ順で摂取してもらい、食前から食後3時間まで採血し、血糖、インスリンなどを測定した。被験者は16人で年齢57.7歳、BMI 32.8、HbA1c 6.5%であった。その結果はカーボ・ラストの食べ順では、カーボ・ファーストあるいはサンドイッチより、血糖上昇の曲線下面積が有意に抑制されていた。またこの間、カーボ・ラストでは、インスリン上昇の曲線下面積もカーボ・ファーストより有意に抑制されていた。
食べ順ダイエットの大阪府立大学のデータでは、野菜→おかず→主食といった食べ順指導で血糖管理が改善することが示されてはいた。一方、関西電力病院のグループのデータにおいては、米→魚、魚→米、肉→米という食べ順の比較がなされ、米→魚に比較して、魚→米であれ、肉→米であれ、食後の血糖上昇が抑制されていた。その折、インスリン分泌の上昇も抑制されており、また胃排泄遅延が魚→米、肉→米といった食べ順で生じており、そのことが血糖上昇の抑制に聞いているのであろうとするデータであった。
今回のウェイル・コーネル医科大学のデータは、まさに関西電力病院のデータを確認したようなデータとなっている。今回の研究でも、胃排泄遅延がカーボ・ラストの血糖上昇抑制の主たる要因であろうと推測される。いずれにせよ、民族を超えて食べ順ダイエットが血糖管理に有効であること、そして野菜→主食であれ、魚→米であれ、肉→米であれ、サラダ→チャバタであれ、カーボ・ラストが食べ順ダイエットの要諦であることは確定的になったといえよう。*山田悟先生のコラムを抜粋し、一部改変
今回の報告では民族を超えて食べ順で血糖上昇が抑制されたことに意味があるものと思われます。その鍵は野菜が先ということではなくて糖質を後に摂取するということが大事なようですね。