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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

肥満改善でうつ病軽減?

2017年10月6日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: うつ病 特徴うつ病 対策

肥満改善でうつ病軽減?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘肥満改善でうつ病軽減?’という報告です。
 肥満者のうつ病有病率は、正常体重者の2倍であると報告されている。肥満とうつ病には、潜在的に双方向の関連がある。いくつかの研究において、うつ病が体重増加や肥満を引き起こすことが示唆されており、他の研究においては、肥満者がその後うつ病を発症する可能性が高いことが示唆されている。オーストラリア・シドニー大学の研究者らは、12ヵ月間の研究において、うつ症状と体重変化との関連性を調査した。
 対象者70例に対し、3ヵ月間のライフスタイル(食事、運動)の体重減量介入を行い、12ヵ月間のフォローアップを行った。対象者は抑うつ質問票(BDI-II)を完了し、研究の期間中、体重測定を行った。ベースライン時における対象者は、平均体格指数(BMI) 31.1kg/m2、体重89.4kg、年齢45.4歳、女性63%であった。
 主な結果は以下のとおり。
・ベースラインから3ヵ月までの平均体重変化は−5.2%、ベースラインから12ヵ月までの平均体重変化は−4.2%であった。
・12ヵ月間の調査において、抑うつスコアは有意に低下し、抑うつスコアの1単位減少は、体重の−0.4%減少と関連していた。
 著者らは「現在の研究では、非臨床的うつ病肥満患者における体重減少は気分改善と関連しており、これらの改善は3~12ヵ月間のフォローアップ期間中も持続することが示唆された」としている。
 肥満はどうしてもメタボとの関係が取沙汰されがちですが、肥満の改善がうつにも好影響を及ぼす様です。よく、ストレス太りなどと言われますが、単にストレスだけで太るのでなくてそれを解消しようとして普通よりも食べるのがその原因だろうと推測されます。医学的に考えてもストレスだけで太るとは到底考えにくく、そこに過食という要素が加わらなければ体重増加は説明出来ません。
17.10.5 花々

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佐藤浩明

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