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小児の睡眠不足で糖尿病のリスク?

佐藤浩明

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テーマ:糖尿病予防

小児の睡眠不足で糖尿病のリスク?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘小児の睡眠不足で糖尿病のリスク?’という報告です。
 英国の子どもを対象とした観察研究で、睡眠時間が短いほど2型糖尿病の危険因子が多く、その後に2型糖尿病を発症しやすいことが分かった。この研究によると、睡眠時間が短いほど体格指数(BMI)やインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)が高まるなど、睡眠時間は2型糖尿病のリスクマーカーと負の関連を示したという。研究を行った英ロンドン大学の研究者は、この知見は小児期の睡眠習慣がその後の糖尿病などの慢性疾患リスクに影響する可能性を示唆しており、「子どもの頃に生じたインスリン抵抗性やBMIなどの糖尿病リスクマーカーのわずかな差は、成長後も影響し続けるようだ」と述べている。
 同氏らは、9~10歳の小児4,525人を対象に、平日の就寝時刻と起床時刻を尋ねたほか、体重や身長、体脂肪を測定し、血液検査でインスリン値や血糖値などを調べ、睡眠時間と2型糖尿病リスクマーカーとの関連を調べた。その結果、対象とした小児の1晩の睡眠時間は平均で10.5時間であった。これは全米睡眠財団が6~13歳の子どもに推奨する睡眠時間(9~11時間)の範囲内であったが、8時間から12時間と幅広く、個人差が大きいことも分かった。解析したところ、全体的に睡眠時間が長いほど痩せており、インスリン抵抗性の子どもも少なかった。睡眠時間が1時間増えるごとにBMIは0.19ポイント、HOMA-IRは2.9%、空腹時血糖値は0.24%それぞれ低下した。
 同氏らは、こうした結果は「運動量が多い子どもでは睡眠時間が長くなること」では説明できないことも突き止めたほか、子どもの生活習慣や健康度に影響するとみられる家庭の社会経済的状況でも説明できなかったとしている。米カリフォルニア大学の研究者は、この研究はこれらの因果関係を証明するものではなく、睡眠や食欲、インスリン感受性などを制御する脳機能が関与している可能性を指摘しているが、学習面や精神面からも子どもに十分な睡眠をとらせることは大切だと付け加えている。別の研究者は、睡眠は多くのホルモンの分泌に影響することから、睡眠不足が子どもの体重やインスリンに直接的に影響するのは確かだとし、この研究がさらなる検討の実施につながる良い契機となることに期待を示している。なお、同氏は子どもが健やかな睡眠をとるために、就寝する1時間前からテレビや電子機器の電源を切り、就寝前にはカフェイン入りの飲み物を摂らないようアドバイスしている。
 昔から‘寝る子は育つ’とよく言われたものですが、ただ単に育つのではなくきちんと成長する様です。小さい頃からの睡眠という生活習慣も糖尿病発症にかなり影響しているのは確かな様です。

17.10.4 吾妻

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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