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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

中年女性はアルコール摂取で糖尿病予防?

2017年1月10日

テーマ:糖尿病予防

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 高血糖 予防

中年女性はアルコール摂取で糖尿病予防?

おはようございます。さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「中年女性はアルコール摂取で糖尿病予防?」という報告です。
日本の中年女性において、アルコール摂取量と血糖状態は肥満症とは無関係に逆相関を示すことが、兵庫医科大学の研究で明らかになった。日本の中年女性は、飲酒することで心血管疾患の既知のリスク低下につながる可能性がある。
 最近の研究で、習慣飲酒は糖尿病のリスクを軽減することが示されている。しかし、アルコールと糖尿病の関係が肥満症の影響を受けるかどうかについては、いまだ明らかにされていない。本研究では、女性のアルコール摂取が血糖状態に影響を及ぼすのかについて検討した。
 対象は、健康診断を受けた35~60歳の日本人女性1万8,352人。対象を、飲酒しない群、ときどき飲む群、毎日軽く飲む群(エタノール 22g以下/日)、毎日大量に飲む群(エタノール22g以上/日)の4群に分けて検討した。アルコール消費量とHbA1c値の関連は、年齢、喫煙歴、運動習慣で調整して検討した。
 主な結果は以下のとおり。
・血糖のコントロールの状態を表すHbA1c値は、飲酒しない群と比べて、ときどき飲む群、毎日軽く飲む群、毎日大量に飲む群で有意に低かった。
・これらの逆相関は、肥満状態(BMI、ウエスト身長比)によって変化しなかった。
・飲酒しない群に対する高血糖の危険率は、ときどき飲む群で0.82倍と有意に低かった。毎日軽く飲む群の危険率は0.61倍、毎日大量に飲む群は0.66倍であった。
・以上のことから、35~60歳の日本人女性において、アルコール摂取は肥満状態と独立しており、アルコール摂取量と血糖状態は逆相関を示すことが示唆された。
 この報告から糖尿病予防にアルコールが良いと言うことではありませんが、適量の飲酒が血糖のコントロールに関してはあまり悪さはしないのかも?知れませんね。ただ、これはあくまでも女性に関してですから男性に同じ事は適応出来ない可能性は十分にあります(笑)
       
    17.1.9 花々
   昨朝のwalking時に見つけた花々。冬のこの時期に色鮮やかな花々を見つけると癒やされます!

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