胃がん発症で気をつけるべき3つの習慣?
世界人口の半数以上がピロリ菌陽性?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘世界人口の半数以上がピロリ菌陽性?’という報告です。
世界の全人口の半数以上がHelicobacter pylori(H. pylori)に感染していると推定されるとのデータが、国際共同研究グループにより発表された。
H. pylori感染の疫学は、下水道を中心とする衛生施設と除菌法の改善により変化している。同グループは、世界のH. pylori感染率を検討するため1970年1月1日~2016年1月1日に報告されたH. pylori感染率に関する研究を検索。国際連合の地理区分と各国の感染率を解析した。また、2015年の推定感染率から推定感染者数を算出した。
H. pylori感染率に関する263研究を特定し、62カ国のデータから成る184研究を最終解析対象とした。その結果、六大州におけるH. pylori感染率はアフリカが70.1%と最も高く、オセアニアが24.4%と最も低かった。国別の感染率は、スイスの18.9%からナイジェリアの87.7%まで大きな幅があった。地理区分の推定感染率から算出された2015年の世界のH. pylori感染者は約44億人で、73億人と推定される世界人口の半数を優に超えていた。
日本では世界に先駆けて4年前からピロリ菌陽性の胃炎に対しての除菌治療が始まりました。これはかなり画期的なことであると考えられています。世界保健機関(WHO)の試算ではピロリ菌の除菌により胃がんは3-4割りは減少するだろうと考えられている様です。20-30年後の日本において胃がん発症がどの程度減少しているかは非常に興味深い所ではあります。一方で当クリニックでもピロリ菌除菌後胃がんも数例散見されて来ており、除菌後も十分な経過観察が必要であることは言うまでもありません。