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熱中症の注意点とは?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘熱中症の注意点とは?’というお話です。
夏本番を迎えると、医療機関の受診者数が激増するのが熱中症です。好発期(6-9月)には症例数が40万を超えた年もあるが、医療機関ではどのように対応し、また、どのように予防指導を行えばよいのでしょうか?
熱中症という言葉を用いるようになったのは2000年以降です。それまでは熱射病や熱疲労、熱失神、熱痙攣などと欧米の診断名に準じていましたが、簡便に重症度を判定できる基準もなかったため、統一した診断基準を設けたのです。これにより「熱中症」という言葉が広がりました。
学会がなどが熱中症に関するキャンペーンを展開した結果、誰もが知るようになりましたし、熱中症の症例数が増加傾向にある半面、入院数や入院死亡数はむしろ下がってきています。これはひとえに予防が奏功しているためでキャンペーンを展開するというのは、実はとても重要なことなのです。好発時期が6-9月の4カ月に限られるため、一時期(夏期)に限って心配すればよいというのも、キャンペーンの効果が現れやすいのです。
熱中症の診断基準を設けた時に重症度を3段階に分け、このうち医療機関での対応が求められるのは、外来で対応可能なII度と入院が必要となるIII度です。III度については中枢神経症状や肝・腎機能障害、血液凝固異常のいずれかを判定し、その結果に応じて対応すればよいのです。II度に関しては、診察で頭痛や嘔吐の有無、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下を確認し、体温管理や安静処置、十分な水分とナトリウムの補給で状態が回復してくれば大丈夫でしょう。
熱中症を診る場合に大事なのが、それが労作が加わって発症したものなのか、非労作性のものかを見極めることです。炎天下でのスポーツや作業中に発症した熱中症と日常生活の中で発した熱中症では、対応や回復速度が大きく異なります。労作性の場合は、基本的に起床してから熱中症を訴えるようになるまで体調は普段とほぼ変わらなかったはずでそうした人が高温多湿の環境で動き続けて熱中症になった場合は、予後はそれほど心配ないし、回復速度も速いことが多い。
一方で、非労作性の熱中症は最初から疑って掛からないと、熱中症発症の3条件である「環境」「体」「行動」との関係が見いだしづらくなる。特に高齢者に多いのですが、日常生活中にゆっくりと2-3日かけて熱中症に至ることが少なくないのです。こうしたケースでは熱中症だけではなく、何らかの原疾患の悪化や感染症の合併も考えられます。熱中症で亡くなっている人の8割は65歳以上なので、非労作性の熱中症を訴える高齢者を診る際は、十分に気を付けた方がよいでしょう。
*三宅康史・帝京大学救急医学講座教授のお話を抜粋し、一部改変
今シーズンは特に例年に比べて気温が高い日が続いていますので熱中症には十分な注意が必要かも?知れませんね。
当クリニックに飛来した第二陣のツバメの雛たち...スクスクと成長している様です!