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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

70歳でも20歳代の血管年齢は可能?

2017年6月12日

テーマ:生活習慣病予防

コラムカテゴリ:医療・病院

70歳でも20歳代の血管年齢は可能?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「70歳でも20歳代の血管年齢は可能?」という報告です。
70歳を超えても20歳代のしなやかで健康な血管を維持する−これは簡単ではないが、実現可能であることを示唆する新たな研究結果が報告された。
 3,000人超の成人を対象とした同研究では、適切な食生活や運動習慣を守り、引き締まった体型を維持すれば、加齢に伴う血管の老化を食い止められる可能性のあることが示された。一方、血管年齢を若く保つ上で、遺伝的な要因は生活習慣ほど大きく影響するわけではないことも分かった。
 研究を実施した米ボストン大学の研究者によると、ヒトの血管は高齢になるほど硬くなり、血圧が上昇するが、こうした変化は心疾患や脳卒中の重大なリスク因子になるという。「血管を若く保つ特効薬はないが、極めて健康的な生活習慣を送っている人は血管年齢が若いようだ。例えば、狩猟採集して暮らす先住民族では高血圧はほとんどみられない」と、同氏は話している。
同氏らは今回、米国立心肺血液研究所による研究に参加した50歳以上の成人3,196人のデータを用いて研究を行った。研究では、高血圧がなく、脈波伝播速度(PWV)で動脈硬化が認められない場合を「健康的な血管年齢」と定義した。その結果、対象者の17.7%が健康的な血管年齢を維持していた。また、若いほど健康的な血管年齢である割合は高く、50~59歳では30%を占めていたが、70歳以上では1%のみで、主に女性だった。さらに、米国心臓協会が健康的な心血管を目指した啓発キャンペーンで達成すべき目標として提唱している、血圧や脂質、血糖のコントロールや健康的な食生活、運動習慣、減量、禁煙などの7項目のうち、6項目を達成している人では、0~1項目しか達成していない人と比べて健康的な血管年齢を維持している可能性が10倍以上高かった。さらに、健康的な血管年齢を維持している人では、心疾患や脳卒中を発症するリスクが55%低かった。
 米カリフォルニア大学の研究者は「食生活や運動習慣に気をつけ、血圧や脂質などをきちんと管理すれば不可避と考えられていた動脈硬化を遅らせるだけでなく、進行を食い止めることさえできる」と強調。「今回の研究結果を受けて健康的なライフスタイルを選択する人が増えることが期待される」としている。
 基本的に動脈硬化性の変化は20代から始まると言われていますが、本研究では生活習慣の改善によりその加齢に伴う動脈硬化性の変化をかなりのレベルで食い止めることが出来るかも知れないということが示されました。実際、別の研究でも殆ど塩分を摂取しない民族では加齢に伴う高血圧は皆無であったとの報告もありますから上記に述べたような健康的な生活習慣を実践出来れば所謂血管年齢を若々しく保つことは可能なのかも?知れませんね!

17.6.12 朝陽

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