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内臓脂肪が免疫機能を低下?

佐藤浩明

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テーマ:内臓脂肪の悪弊

内臓脂肪が免疫機能を低下?

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「内臓脂肪が免疫機能を低下?」という報告です。
内臓脂肪型肥満が生活習慣病の発症と免疫機能の低下をもたらす背景には、Tリンパ球をはじめとする免疫細胞の老化が深く関与していることを、慶應義塾大学の研究グループが突き止めた。高脂肪食を摂取した若年の肥満マウスでは、老化したTリンパ球集団が内臓脂肪に大量に出現しており、これが過剰な炎症やインスリン抵抗性などを促進させているという。
 腹腔内の腸のまわりに脂肪が過剰に蓄積する「内臓脂肪型肥満」は慢性的で過剰な炎症反応を引き起こし、生活習慣病の発症と密接に関わるとされている。この慢性的な炎症の背景には、内臓脂肪組織における免疫細胞機能の変化が指摘されているが、その詳細なメカニズムは明らかにされていなかった。研究グループは今回、個体の老化に関与する「免疫老化」に着目し、内臓脂肪型肥満と免疫老化との関連について検討する研究を行った。
 研究グループはまず、高脂肪食の摂取で肥満した若年マウスを用いた実験により、こうしたマウスでは、細胞表面にCD153およびPD-1を発現するTリンパ球(CD153陽性PD-1陽性Tリンパ球)が、内臓脂肪に短期間で大量に出現することを発見した。このTリンパ球は、細胞老化の特徴をもち、強力な炎症性サイトカインを大量に産生するもので、痩せたマウスの内臓脂肪にはほとんど存在しないという。若年肥満マウスで確認されたこの老化したTリンパ球集団は、高齢マウスの免疫老化の原因となるTリンパ球と類似した性質をもつことも判明した。
 また、Tリンパ球を移植した痩せた健康な若年マウスでは、高脂肪食を摂取した肥満マウスにみられる内臓脂肪における過剰な炎症やインスリン抵抗性、血中オステオポンチン濃度の上昇が確認され、このオステオポンチンを大量に分泌するCD153陽性PD-1陽性Tリンパ球の蓄積が、脂肪組織内の免疫系全体に悪影響を及ぼし、過剰な炎症を引き起こしていると考察している。
 研究グループは、オステオポンチンを欠損したマウスに高脂肪食を摂取させて太らせたマウスから採取したCD153陽性PD-1陽性Tリンパ球を、健康な若年マウスに移植しても、内臓脂肪の過剰な炎症やインスリン抵抗性は生じないことも突き止めており、オステオポンチンが重要な役割を担っていることを明らかにしている。
 内臓脂肪が体にとって様々な障害を起こすことは知られていましたが、免疫系にも悪影響を及ぼしている様です。実際に肥満の方はインフルエンザにも罹りやすいイメージがありますので...今シーズンは要注意かも知れませんね!
      ピカチューイルミ
 福島のパセオ通りのイルミネーションのピカチューバージョンです!

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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