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オリンピックで注目されるカッピングの効果は?

佐藤浩明

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おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「オリンピックで注目されるカッピングの効果は?」という報告です。
 リオオリンピックで、体のあちこちに紫色の円いあざのある選手の姿を見て驚いた人も多いだろう。このあざの原因は、「カッピング療法」と呼ばれる古代中国の医術。特殊な丸いカップを皮膚に取り付け、熱やポンプで吸引するというもので、筋肉や血流を刺激し、痛みを和らげるとされる。
 米マウント・サイナイ病院の研究者によると、米国ではこの2~3年、カッピングへの関心が高まってきているという。露出度の高いドレスを着た著名人が背中の丸い跡を隠さず見せることも増えた。昔からある医術だが、これほどの関心を集めたことはこれまでなかったと同氏は言う。
 しかし、カッピングは本当に有効なのだろうか。吸引により痛みが軽減し、治癒が促進され、柔軟性が向上する機序については、東洋医学と西洋医学の両面から説明がなされている。伝統的な中国医学では、カッピングによって全身を巡る生命力である「気」の流れが改善されると考えられている。一方、西洋医学では、カッピングによって組織が損傷されたり締めつけられたりすると、その修復のために血流が増大し、酸素供給も向上するため、健康効果が得られるとされている。
 また、カッピングはマッサージと同じように筋肉をほぐし、関節可動域を改善させる可能性もあるという。複数の小規模研究で、カッピングによって治療部位の抗酸化物質と抗炎症物質が増加し、抗炎症効果が得られることも示されている。同氏も、カッピングの一貫したベネフィットを示す大規模研究や臨床試験はないことを認めている。「つまり、見た目にはかなり劇的な変化を残すものの、比較的無害だといえる。疼痛コントロールという面では一部の人に効果がみられるようだが、アスリートのパフォーマンス面での有効性を裏づける研究は実施されていない」と同氏は話す。
 しかし、メイヨー・クリニックとマウント・サイナイ病院はいずれも統合医学プログラムの一部としてカッピングを実施している。「優れた施術者が治療プログラムの一環として適切に使用することで、多くの患者でベネフィットが認められている」と、同氏は述べている。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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