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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

ダイエットはどれが有効?

2016年6月3日

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: ダイエット 運動ダイエット 食事

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「ダイエットはどれが有効?」という報告です。
 アトキンス式(低炭水化物[糖質制限]食)やオーニッシュ式(低脂肪食)など固有の名称が付されたダイエット法は、実際に良好な減量効果をもたらしていることが、カナダ・トロント大学の研究者らの調査で示された。今回の解析では、どれも大きな差はないことが確認された。
 研究グループは、ダイエット食のクラス別(低炭水化物食、中等量主要栄養素食、低脂肪食)および個々のダイエット法別の減量を評価する解析を実施した。対象は、過体重および肥満者(BMI≧25)の無作為化試験とした。ダイエット食のクラスは摂取エネルギーに占める主要栄養素の割合で定義し、低炭水化物食は炭水化物が≦40%、低脂肪食は約60%、約10~15%、脂肪≦20%とした。解析には11種のダイエット法が含まれた。
 6ヵ月時には、すべてのクラスのダイエット法が非ダイエット群に比べ有意に良好な減量効果を達成し、12ヵ月時も有意差は維持されたが、6ヵ月時に比べ効果は1~2kg低下した。また、6ヵ月時は低炭水化物食の減量効果が相対的に大きかったが、低脂肪食との間には明確な差はなく、12ヵ月時には低脂肪食のほうがむしろ減量効果が大きかった。個々のダイエット法の減量効果の差は小さかった。たとえば、低炭水化物食を用いるアトキンス式は、同じ低炭水化物食のゾーン(Zone)式よりも6ヵ月時の減量効果が大きかったが、その差は1.71kgだった。行動支援により、6ヵ月時には3.23kgと有意な減量効果が得られたが、12ヵ月時には1.08kgと有意差は消失した。また、運動(ジョギングなど)の減量効果は6ヵ月時には0.64kgと有意ではなかったが、12ヵ月時には2.13kgと有意な改善が達成された。
 研究者らは、「低炭水化物食と低脂質食による減量効果は1年にわたり良好で、行動支援や運動はその効果を増強する」とまとめ、「ダイエット法の違いは大きな問題ではなく、理想的には個々人が最も実行しやすく、長期に継続可能な方法を選ぶことが重要である」と指摘している。

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佐藤浩明

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