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長時間宇宙で過ごす宇宙飛行士では、血圧は低下するが心臓の負担は増える可能性があることが、米航空宇宙局の研究でわかった。同研究者らは、宇宙飛行前、飛行中、帰還3~6カ月後に調べた宇宙飛行士8人を検討した。その結果、無重力による下半身から上半身への血液および体液の移動は、以前考えられていたよりもはるかに大きかった。心拍は同じであったが、血液量による心臓への負荷も予想以上であった。長時間の宇宙飛行により血圧が10mmHg低下することが判明した。これは通常、降圧剤を服用したときの低下とほぼ同じである。
同氏は、「将来的に、長期のミッションでは血液量による心臓への負荷が健康障害につながる可能性があるため、この発見は重要だ。宇宙飛行の数カ月で視覚障害を経験した宇宙飛行士がいるが、これは実は上半身への体液・血液の移動量が多くなったことによると思われる」と述べている。
さらに、「血液量による心臓への負荷は予想よりも大きかったが、血管がより弛緩(拡張)しているため血圧は低下する。これは実は、身体や血管にとって良いことだ。今後、液体移動と血管の弛緩を引き起こす宇宙飛行の要因を特定する必要がある」と同氏はしている。