暑い時の水分補給には何が良いのか?
これまでも一般人口を対象とした健康診断が心血管疾患やがんの死亡率減少に関連しないとの報告が行われていたが,再びその意義に疑問を投げかける試験の結果がデンマークの研究者により報告された。今回の検討は一般健康診断ではなく,30~60歳の住民に心血管疾患スクリーニングを実施し,生活指導の改善を個別指導する日本の「メタボ健診」に共通したアプローチの有効性が検討されている。
同研究者らは,一般人口に対する虚血性心疾患(IHD)スクリーニングと高リスク者への反復的な生活指導により罹患率が減少できるかを検討。1998年12月,コペンハーゲン近郊に住む30~60歳の住民5万9,616例が対象となった。IHDの危険因子に関する検査※を実施,リスク者と判定された人にIHD予防のための生活習慣改善の指導を行う介入群と介入について何も知らされない対照群の2群に割り付けた。
介入群にはベースライン時に問診票と各種検査と生活習慣指導を実施。同時にリスク層別化を行い,高リスク者には低リスク者に比べより積極的な介入が行われた。対照群にはベースライン,1,3,5年目で問診票による調査が行われた。介入群では非介入群に比べ,IHDリスクの有意な減少が見られなかった。また,脳卒中,脳卒中+IHD,全死亡の全てにおいて有意なリスク低下は見られなかった。
同氏らは今回の試験について,IHDスクリーニングとリスク者への生活習慣改善指導の有効性を検証した介入試験としては最大の規模と述べている。その上で,5年間の地域住民を対象としたIHDスクリーニングに基づく,リスク保有者への個別の生活習慣指導で向こう10年の人口レベルにおけるIHD,脳卒中あるいは死亡率の改善効果はなかったと結論。一般人口全体を対象としたスクリーニングと,それに基づくリスク保有者への生活習慣指導を推奨することはできないと述べた。なお,生活習慣指導は従来通り日常診療において行われるべきで,一般人口への全体的なプログラムとして適応できないと改めて強調している。
これはあくまでも他国での同様な健診の結果ですが...日本で行われているメタボ健診も同様の結果になる可能性は高いかも?知れませんね...