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ヘリコバクター・ピロリ(以下、H.pylori)の除菌治療が、健康な無症候性感染者の胃がん発生を予防するのかについて検討した、英国での研究の結果、アジア人については減少するという限定的で中程度の証拠が示されたことを報告した。H.pyloriが検査で陽性であった以外は健康な無症候性感染者の成人を対象とし、除菌治療を7日以上行いその後の胃がん発生について効果を調べた無作為化試験で、対照群にプラセボまたは未治療を設定しており、追跡期間が2年以上であった試験を適格とした。
データを解析した結果、胃がん発生例は、除菌治療を受けた健康な無症候性感染患者3,294例では51例(1.6%)であり、対照群3,203例では76例(2.4%)で、相対危険率は0.66だった。同結果に基づく胃がん1例を予防するために必要な治療数(NNT)は、全体では124例だったが、被験者の国別生涯リスクで検討した場合のNNTは、中国人男性で最も少なく15.1例、一方で最も多かったのは米国人女性で245.1例であった。なお日本人は男性15.3例、女性23.0例だった。
そのほか除菌治療の影響について胃がんによる死亡に関しては3試験の評価で、治療群1.1%、プラセボ群1.6%であったこと、有害事象についての報告は1試験のみで報告をされていて、発疹を除外すれば、治療群3.1%、プラセボ群0.1%であり統計的な有意差は認められなかったという。
当クリニックでも昨年2月のピロリ感染胃炎の除菌治療適応拡大以降に積極的に除菌治療を行い、現在までに1001数十例の除菌治療を行っております。ある時期からは治療薬を少し変更して除菌治療を行い、85%以上の除菌効果を認めております。6月から開始となった福島市の胃がん検診でもピロリ菌感染が疑われる方には説教的にピロリ菌感染の有無をチェックしているところです。