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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

和食で糖尿病予防?

2014年5月10日

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

 和食には地中海食に匹敵するような医学的根拠はない。しかし,少なくとも菓子パンだけ,とか,おにぎりだけ,といった単品食いに比較して,主食・主菜・副菜という伝統的な和食の構成で食べる方が食後高血糖を防ぐのに適していることが,日本女子大学のグループにより英国の栄養学雑誌に報告されました。本研究では,30~40歳代の非肥満の健常日本人男性9人がリクルートされた。被験者は1週間以上の間隔を空けて, 4つの様式の食事を摂食し,食後3時間までの採血を受けた。4つの食事の順番は個々にランダムに決められ,被験者は検査前日の21時以降の飲食を禁止され,検査日の午前9時に検査施設に集合するよう求められていた。

 本研究が明らかにしてくれたことは,健常な日本人の食後高血糖のピークの高さを決定している要素が少なくとも単純なエネルギー量のみではないということと,糖質に偏らずにおかずをきちんと食べることが食後血糖の是正にも重要であるということである。別な言葉で言えば,主食のみに偏ることなく,主菜(蛋白質と脂質),副菜(食物繊維)を一緒に摂取することの医学的な意義が証明されたといえよう。最近,食物繊維が食欲を抑制してくれるという動物実験のデータも出ており,食物繊維もやはり食後の糖・脂質代謝に重要な役割を担うことは確かなようである。よって,蛋白質,脂質,食物繊維のいずれもが,その摂取によって糖質による食後血糖上昇を緩和してくれるものと考えられる。

 さて,わが国の糖尿病の特徴は,肥満を生じずにインスリン分泌が少ないことで発症してしまうことである。確かに,肥満→インスリン抵抗性→メタボリックシンドローム→糖尿病という流れの多い欧米人ではエネルギー摂取の適正化とそれに伴う減量が根源的な治療となろう。しかし,日本人では肥満がなくとも,インスリン抵抗性が高くなくとも糖尿病を発症してしまうのである。そのことを考えながらこのデータを見るとき,エネルギー制限や脂質制限よりも,主食に偏ることなく(あるいは控えながら)主菜と副菜(それもきちんと脂質を含有したもの)の摂取を促すことの方が大切なように思えてくる。

 以上は北里研究所病院糖尿病センター 山田悟先生の解説を抜粋し、引用致しました。

 やはり、日本人はマクドナルドやケンタッキー、牛丼じゃなくて和食を取ることが大事な様ですね...(笑)

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佐藤浩明

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