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肥満+塩分過剰摂取で若年でも老化加速?

佐藤浩明

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肥満かつナトリウム(Na)摂取量が多いと10代でも細胞の老化を示すテロメアの短縮が見られたと米国の研究者らが報告しました。加齢に伴う自然現象としてDNAが複製されるたびに染色体の末端を保護するテロメアの短縮が起こり、最終的に細胞分裂の停止に至ること(細胞老化)が知られています。これまでも喫煙や身体活動の不足、体脂肪の増加により、こうした細胞の老化プロセスが加速することが分かっていましたが、Na摂取過多による影響を検討した研究はこれまでにはありませんでした。

 本研究の結果、過体重または肥満児ではテロメア長に関連する因子を調整後も、低Na摂取群に比べ高Na摂取群でテロメアの有意な短縮が認められました。一方、正常体重児では低Na摂取群に比べ高Na摂取群で有意な短縮は見られませんでした。「今回の研究によりNa摂取過多によるテロメアへの影響が始めて示された」と同研究者は述べており、「比較的若くて健康な世代においても肥満とNa摂取過多の組み合わせが相乗的に細胞の老化を加速させる可能性がある」としています。

 また、この機序については「肥満は炎症反応の惹起に関連しており、炎症がテロメアの短縮を促進することが知られている。これらの現象により塩分の感受性が増加し、Na摂取過多による影響が強まるのではないか」と考察しています。

 当クリニックにおけるデータでも40歳以下で高血圧を発症している患者さんの推定塩分摂取量は他の年代に比べて多いという結果で塩分摂取過多は動脈硬化にも確実に影響していると考えられますが、それに肥満が加わると加速度的に老化スピードが早まるのは予想に難くない結果かも?知れませんね!

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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