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コラム
腰痛患者は美味しさに鈍感?
2014年5月4日
慢性腰痛と肥満は相互に関連しているが、この2つを結びつける生理学的機序はまだわかっていない。ただし、脳機能画像研究にて、慢性腰痛では食物による快楽を感じる脳内系の機能や構造に変化がみられることが示されている。米国・エール大学の研究者らは、慢性腰痛では「美味しい」と感じるはずの高脂肪食への快楽知覚が変化しているという仮説を立て研究を行った。その結果、健常者で認められた高脂肪食摂取と快楽評価の密接な関係が、慢性腰痛患者ではみられないことが判明したという。
著者らは、「こうした脂肪に対する快楽知覚の変化が、慢性腰痛者に過食を招き、肥満と結びついている可能性がある」と指摘している。研究グループは、慢性腰痛患者および同数の健常者を対象として、空腹時に脂肪含有量の異なるプリンおよびショ糖含有量の異なる甘い飲み物について評価してもらった後、好みのプリンを自由に食べてもらい満足度などについて調査した。
主な結果は以下のとおり。
・健常者に比べ慢性腰痛患者では、高脂肪のプリンを食べたときの評価(満足度)が有意に低かった。
・慢性腰痛患者と健常者では、これら飲食刺激に対する官能評価については、大きな違いはなかった。
・健常者では、プリンのカロリーが満足度と密接に関連しており、摂食後の空腹感も減少した。
・慢性腰痛患者ではこの傾向が認められなかった。
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