暑い時の水分補給には何が良いのか?
米国ハーバードの研究者らは,コーヒーや紅茶の摂取と2型糖尿病の関連について検討するため,医療従事者を対象とした米国の166万人・年を追跡。1日当たりのコーヒーの摂取量が4年間で1杯超増加していた者では,その後4年間の2型糖尿病発症リスクが11%低下していたのに対し,同摂取量が1杯超減少していた者では同リスクが17%上昇していたとする結果を報告した。
分析の結果,コーヒーの摂取量に変化がなかった群と比べ,最も減少した群では当初の摂取量が多く, 4年間の体重増加量が大きい傾向にあった。紅茶についても,最も減少した群では,当初の摂取量が多い傾向にあった。4年間で1日当たりのコーヒー摂取量がコップ1杯超増加していた者では,変化がなかった者に比べて2型糖尿病発症リスクが11%低下していた。
一方,1日当たりの摂取量が1杯超(中央値2杯)減少していた者では,同リスクは17%上昇していた。コーヒーの種類別に見ると,カフェイン入りコーヒーの摂取量が1日1杯以上増加した場合は,発症リスクが13%低下。1日1杯以上減少した場合は20%のリスク上昇が認められた。カフェインレスコーヒーでは有意な関連はなかった。
さらに,4年間のコーヒーおよび紅茶の摂取量と,その後長期の2型糖尿病発症リスクとの関連について検討したところ,コーヒー摂取量の1日1杯超の増加は13%のリスク低下と関連していたが,1日1杯超の減少による有意なリスク上昇は認められなかった。
以上から,同研究者らは「コーヒー摂取習慣の変化は,その後比較的短期の2型糖尿病発症リスクに影響を与えるようだ」と考察。「今回の結果は,コーヒーの高摂取が2型糖尿病リスク低下につながるという以前の前向き研究を支持するとともに,コーヒー摂取習慣の変化が発症リスクに関連するという新たなエビデンスを提供するものである」としている。