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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

肥満パラドックスは存在しない?

2014年1月22日

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

糖尿病患者では,正常体重の者に比べてBMI高値の者で死亡率が低下する“肥満パラドックス”があるのではないかという報告がある。米ハーバード大の研究者らは,医療従事者を対象とした米国の大規模研究などで2型糖尿病を有する1万1,427例を約16年間追跡。糖尿病診断時の体格指数BMIと全死亡はJ字型の関連を示し,肥満パラドックスは存在しなかったと発表しました。

 今回の結果によると平均15.8年間の追跡期間中に死亡は3,083例あり,BMI 22.5~24.9を参照群とした全死亡の危険率はBMIが低い方から順に1.29,1.00(参照),1.12,1.09,1.24,1.33となり,BMIと全死亡にJ字型の関連が認められた。

 両者の関連は喫煙歴の有無によって異なり,喫煙歴のある者では非線形の関連が認められたが,喫煙歴のない者では線形の関連が認められた。死因別に見ると,喫煙歴なしでは心血管疾患死,がん死はそれぞれBMIと線形の関連を示した。一方,喫煙歴ありでは心血管死とBMIの間に有意な関連はなく,がん死亡については最低BMI群で有意なリスク上昇が認められた。

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