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コラム
オリーブオイル摂取で糖尿病予防?
2014年1月21日
心疾患発症リスクが高く、オリーブオイルを多く含む地中海食を食べている人では、摂取カロリー量の制限や運動の推奨を行わなくても糖尿病の発症リスクを低下させられることが、スペインで行われた大規模試験で明らかになった。
スペイン、王立カルロス3世研究所による研究では、心疾患リスクが高く、非糖尿病の55~80歳の男女3,500例強を、1.地中海食に加えエクストラバージンオリーブオイルを摂取する群、2.地中海食に加えミックスナッツを摂取する群、3.低脂肪食群の3群に分け、4年間追跡した。減量や身体運動増加に関する指導は特に行わなかった。
地中海食は、オリーブオイルのほかに果物や野菜、全穀粒、魚を重視する食事とした。ナッツ群のナッツ摂取量はウォールナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツを1日に1オンス(28.35グラム)まで、オリーブオイル群のオイル摂取量は1日小さじ3杯より少し多めまでが許容された。
追跡期間中に2型糖尿病を発症したのはオリーブオイル群で80例、ナッツ群で92例、低脂肪食群で101例だった。糖尿病リスクに影響する他のリスク因子を調整した結果、オリーブオイル群では低脂肪食群に比べ、糖尿病リスクが約40%低下していた。ナッツ群でもリスクは18%低下していたが、統計学的に有意ではなかった。
米ジェファーソン医大准教授は「グッドニュースだ。食物構成の変化で糖尿病リスクを低下させられることが示唆されるほか、地中海食は健康に恩恵をもたらすというエビデンスの一端になるともいえる」と解説する。ただし、この結果が、適切な食事や運動を推奨しない方向に解釈されないようにとの注釈も付けている。過体重は2型糖尿病のリスク因子であり、体重管理には適切な食事と運動が有効だからだ。同氏によると、理論的には、地中海食に食事と運動療法を加えることで糖尿病リスクをさらに低下させられる可能性がある。
2型糖尿病リスクの高い人は健康的な体重を維持できるよう努力する必要がある。ただし、成功に足るほど努力できない場合でも、食生活にオリーブオイルを加えることでいくらかの恩恵を得られることが、証明はされていないが本研究からは示唆される、と同氏は述べている。
同研究結果は、長期にわたるオリーブオイル摂取と糖尿病リスク低下の関連を確認したが、その因果関係を証明したものではない。論文執筆者らは、オリーブオイルの持つ抗炎症作用や抗酸化物質などがこの関連を説明する可能性があると指摘している。
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