暑い時の水分補給には何が良いのか?
なぜヒトには睡眠が必要なのかという長年の疑問への答えが見つかったかもしれない。脳が日中に蓄積された有害な老廃物を除去するのに、睡眠が役立っている可能性があるという。
マウスを用いた研究から、脳が睡眠中にアルツハイマー病などの脳障害の原因となる毒素を除去していることが示された。「脳には睡眠時と覚醒時で異なる機能状態があることがわかった」と、研究者は述べている。
リンパ系は細胞の老廃物を除去するが、脳はこのシステムに含まれないことが、同チームの過去の研究でわかっていた。今回の研究では、最新の画像診断技術を用いて、生きたマウスの脳がどのように老廃物を除去するかを調べた。その結果、脳には血液脳関門により保護された独自のプロセスがあることが判明。
研究グループは、睡眠中に脳が使用するエネルギー量が増大する点に注目し、このとき脳の老廃物除去システムが活発になるのではないかと示唆。脳脊髄液を送り出すには多量のエネルギーを必要とするため、脳が活発な情報処理を行わない夜間にしかこのプロセスを実施できないと考えられる。「脳が自由に使えるエネルギーには限りがあるため、2つの機能状態のどちらかを選択しなければならない。ホームパーティーと家の掃除を同時にはできないのと同じことである」と説明している。
「Science」に掲載された今回の研究では、睡眠中に脳の細胞が「収縮」し、サイズが約60%減少することも明らかにされた。これによって脳細胞の間にすき間ができ、老廃物を効率的に除去できるようになる。この除去システムがなければ、有害な蛋白が脳に蓄積される可能性がある。
ただし、動物実験より得られた結果は必ずしもヒトに適用できるとは限らないと、科学者らは指摘している。