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「あれ…この人だれ…?」と、久しぶりに会った人の顔は覚えていても名前がなかなか出てこない現象は、年をとるにつれ多くなってくるもの。だが普通の人にとって、このようなごく軽い物忘れは普通に起こることで、大抵は無問題だという。しかしこれが酷くなると、もしかしたら認知症のサインかもしれない。40歳から65歳の間に訪れる老人性認知症の初期診断には、テレビでもお馴染みの有名人の顔を見せるというシンプルなテストが有効だという研究が発表されました。
実験では①彼らの名前を答えられるか、②名前が答えられなかった場合、その人物を記した詳しい描写から誰かを正確に選べるか、③その人物に関して2つ以上の関連事項を述べられるか、によりポイント付けされ、テストの後にはMRI(磁気共鳴映像法)スキャンも撮られた。また、この実験は「有名人の名前は答えられなくとも、顔は知っているか?」など、認識力についても問われ、これによりどのような種類の認知障害があるかをテストされた。
結果は研究者の推測通り。軽度な失語症を持つ79%が有名人の顔を認識したが、46%しかその名を答えられず、97%の健常者は顔を認識でき、93%は名前も正しく答えることができたという。さらにMRIスキャンでは、失語症を患う被験者のうち名前を答えられなかった54%は、左の側頭葉に脳組織の喪失と思われるサインがみられ、顔を認識できなかったグループに至っては両方の側頭葉に組織喪失のサインがみられたのだという。
この研究者は、「このテストは認知症初期の診断に有効なだけではなく、脳がどのようにして“単語”や”物質”を記憶し呼び起こすのかを知る手がかりとなる」と述べている。いつかテレビで有名人の顔を見て「誰だったっけ…?」と思う日が来たならば、認知症を疑ってもいいかもしれない。