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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

当クリニックでの発見胃がんの現状!

2013年9月2日 公開 / 2014年7月1日更新

テーマ:研究会発表

コラムカテゴリ:医療・病院

 先日、郡山で第22回福島県がん治療研究会が開催され、当クリニックでの4703症例に及ぶ経鼻内視鏡施行例による発見胃がんの現状を報告して参りました。

第22回福島県がん治療研究会抄録
【目的】当クリニックでは平成19年7月の開業当初から経鼻内視鏡を導入し、平成25年8月31日現在で4703例を施行している。これまでの経鼻内視鏡での発見胃がんに関して検討した。【方法】平成25年8月31日までの発見胃がん32症例33病変に関して病変発見の経緯、検査間隔、治療方法別の病変の検討、並びにヘリコバクタピロリの有無などを検討した。【結果】男性21例、女性11例。平均年齢70.3歳。内視鏡的治療施行18/33病変、手術施行11/33病変、手術不能・その他4/33病変。1)病変発見の経緯は定期検査・検診が18/33病変、内視鏡的治療施行症例では15/18病変と多かった。心窩部痛・違和感のあった症例が8病変、その他自覚症状を有した症例が7病変で手術施行症例中8/11病変と何らかの自覚症状を有する症例が多かった。2)病変発見までの検査間隔は内視鏡的治療症例:1y前/2ys/3ys/不明/初/病変followがそれぞれ6/1/1/4/2/4病変、手術症例:1y前/2ys/3ys/不明/初/病変followがそれぞれ3/1/1/4/1/1病変であった。3)内視鏡的治療症例の平均最大径は17.8 mm、10mm以下7病変、全例高分化ガン、肉眼型陥凹型早期がん6病変・扁平隆起型早期がん12病変、占拠部位は上部/中部/下部がそれぞれ 5/6/7病変。4)手術症例の平均最大径は61.5 mm、10mm以下1病変、未分化8例・高分化3例。≦sm4病変・sm以深7病変、占拠部位は上中部/上部/中部/下部 がそれぞれ3/3/4/1病変。5)ヘリコバクタピロリ陽性例15/24病変。内視鏡的治療症例で10/17、手術症例で3/5、10mm以下の病変で4/ 7。【結語】内視鏡的治療症例は定期検診、手術症例は有症状での発見例が多く、検査1年後での発見もあり、定期検査が重要と考えられた。胃がんの発見率に遜色なく10mm以下の小病変も発見され、経鼻内視鏡の有用性が示唆された。



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