戸建住宅を宿泊施設へ再生|旅館用途変更の設計・法適合確認事例

松本直樹

松本直樹

テーマ:用途変更・確認申請・旅館業許可


戸建住宅を宿泊施設へ再生した事例

既存の戸建住宅を、旅館や簡易宿所などの宿泊施設として活用する場合は、建物の雰囲気や意匠を活かすだけでなく、建築基準法や消防法への適合確認が必要です。
今回は、既存住宅を宿泊施設へ用途変更するにあたり、建物の特徴を活かしながら改修を行った事例のご紹介です。

この建物は、南北に細長く2階にある続き間の和室空間が大きな魅力でした。
一方で、小屋裏部分が小屋裏収納として利用されていましたが、天井高も高く3階建ての様な使い方をされていました。
そこに中部屋は無窓居室となっていたことに加え、小屋裏の利用方法にも法的な整理が必要で、そのまま旅館として許可を進めることは難しい状態。そこで、既存建物の雰囲気をできるだけ残しながら、宿泊施設として安全に利用できるよう改修計画を試みています。

200㎡以下の住宅・マンション一室でも、保健所から建築士の確認書や建築基準法上の確認を求められるケースが増えています。 「確認書が出せるか分からない」「検査済証がない」「用途変更が必要か分からない」という段階でも、まずは一次調査で整理できます。
建築基準法適合確認の一次調査を相談する

3階部分は寝室として使用しないロフトに

3階部分は天井高さを1.4m以下に抑え、小屋裏は利用禁止。寝室や居室としては使用しない計画としました。
小屋裏空間としての扱いを明確にしながら、吹き抜けによる開放感や、上下階のつながりを感じられる空間として活用しています。
宿泊施設への用途変更では、見た目だけでなく、実際の利用方法まで明確に整理することが重要です。

【関連記事】
検査済証がない建物でも増築・用途変更はできる?確認申請前に必要な法適合調査
詳しくはこちらの記事もご確認ください

確認申請前に必要な法適合確認について


縦格子で空間を緩やかに仕切る

吹き抜け部分の間仕切りには、縦格子の建具を採用しました。
奥の和室と一体的な空間として扱えるよう、空間を完全に分断しない構成としています。
視線や空気のつながりを残しながら、既存建物が持つ和の雰囲気を損なわないように設計しました。
【旅館再生の施工事例】

母家の欄間を旅館へ再生し、思いを次の世代へ

母家で使われていた欄間を大切に保存されていたため、今回の旅館改修で再び活用させて頂きました。

欄間は、建物の歴史やご家族の思い出を伝える大切な存在です。新しい旅館の空間に合うように配置し、古い建具の魅力を残しながら、新たな役割を持たせました。

既存の建物や古材を生かした改修は、新しい材料だけではつくることのできない、温かみと物語のある空間につながります。
母家に受け継がれてきた記憶を、旅館を訪れる方にも感じていただけるような空間を目指し、
欄間を絵として見立て、リビングの中心に配置させて頂きました。

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松本直樹
専門家

松本直樹(建築家)

株式会社松本再生建築研究所

福岡県を中心に、住宅・空家を旅館・簡易宿所等へ活用する際の用途変更、消防・保健所協議、改修計画を支援する建築士事務所です。200㎡以下で確認申請が不要なケースでも、旅館業許可前の法適合確認が重要です。

松本直樹プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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