旅館業許可時の建築基準法適合確認が重要に|200㎡以下でも建築士の証明が求められます
10世帯すべてで突然、水が出なくなった
梅雨も明け、日差しが続く季節になりました。
今回は、大雨・落雷による断水トラブルから改めて感じた「建物を管理する責任」について、建築士の視点からお話しします。
先日、所有物件の不動産管理会社から緊急の連絡が入りました。
「建物全体で水が出ません!」
急遽現地を確認すると、共用部にある給水ポンプ専用の漏電ブレーカーが破損し、ポンプへの電気供給が止まっていました・・。
給水ポンプ本体が正常でも、ブレーカーや制御盤など周辺設備の一部に不具合が起きれば、建物全体の給水は全て停止します。
建築設備は、一つの機器だけではなく、電源・制御・配管など複数の設備が連動して成り立っているからです。
夜間の設備故障はすぐに復旧できない
連絡が入ったのは18時を過ぎた頃でした。
この時間から電気工事業者を手配できるとは限らず、交換部品がすぐに入手できる保証もありません。
また水が使えなければ、炊事、風呂、洗濯、トイレなど、日常生活に大きな影響が出ます。
応急対応として2Lのペットボトル複数本購入しを各世帯へ配布しましたが、飲料や最低限の炊事に使える程度です。
建物設備の故障は、単なる部品修理ではなく、建物全体の機能を止める問題だと改めて痛感じました。
設備の状態は設置年数だけでは判断できない
給水ポンプやブレーカーには、更新時期の目安があります。毎月のメンテナンスを入れていても、屋外設置、湿気、雨水、運転頻度、よって劣化の進み方は異なります。
そのため、設置年数だけでなく頼らず、
- 現在の状態
- 修理履歴
- 点検履歴
- 交換部品の供給状況
- 故障した場合の影響範囲
を合わせて判断することが重要です。
壊れてから直すのではなく予防保全を行う
設備が壊れた後に直すのが「修理」です。
一方で、故障する前に点検や交換を行い、建物の機能を止めないようにするのが「予防保全」です。
頭で分かっていても、「まだ使えるし・・」「余計な費用はかけたくないし・・」など頭を過りますが、
特に給水、電気、排水などのライフライン設備は、故障すると建物全体の使用に大きな影響を与え生活に大きな支障を与えた上に、入居者からの信頼は無くなります。一度失った信頼は、中々戻らないのです。
今回の経験を機に、給水ポンプ、漏電ブレーカー、制御盤、受水槽などの設置時期と点検履歴を整理し、今後の交換計画を立てることにしました。
建築士が考える修繕計画の重要な視点
既存建物の調査では、外壁や屋根、構造部分に目が向きがちです。
しかし、実際の生活を支えているのは、給水、排水、電気、換気、給湯などの設備です。
建築士として重要だと考えるのは、
「あと何年使えるか」だけではなく、
「故障したとき、どこまで建物が止まるか」
という視点です。
壊れてから慌てて直すのではなく、生活や建物の機能を止めないために、設備を計画的に点検・更新する。
今回の全世帯断水は、建物設備の予防保全と修繕計画の重要性を改めて考える機会となりました。



