福岡県が「旅館業(民泊)事業者の手引き」を公表|200㎡以下でも建築基準法の確認が必要です

松本直樹

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テーマ:用途変更・確認申請・旅館業許可

福岡県が民泊事業者向けの新しい手引きを公表

福岡県は令和8年6月、旅館業法に基づいて民泊や簡易宿所を始める事業者向けに、「旅館業(民泊)事業者の手引き」を公表しました。
旅館業(民泊)事業者の手引き 【福岡県】

手引きには、旅館業許可の流れだけでなく、施設に求められる構造設備、近隣住民への事前周知、営業開始後の管理体制、建築基準法や消防法の確認事項などがまとめられています。

宿泊施設を始める際は、物件を購入・契約してから考えるのではなく、計画段階で各関係機関へ相談することが大切です。特に、築古の戸建住宅やマンションを活用する場合は、現在の建物が旅館として使用できる状態か、事前に確認しておく必要があります。

保健所・建築・消防の確認が必要です

旅館業の営業許可は、保健所だけに相談すれば進められるものではありません。
まず保健所では、客室面積、換気、採光、入浴設備、衛生管理など、旅館業法上の基準が確認されます。

これに加えて、建築は用途地域や建築基準法への適合状況を確認し、消防では自動火災報知設備、誘導灯、消火器など、必要な消防設備や防火管理体制を確認します。

そのため、計画を進める際は、
保健・建築・消防
の3つに並行して相談することが重要です。

工事後に基準を満たしていないことが分かると、追加工事や計画変更が必要になることもあります。できるだけ工事着工前に、平面図や建物資料をそろえて相談することをおすすめします。

200㎡以下の住宅・マンション一室でも、保健所から建築士の確認書や建築基準法上の確認を求められるケースが増えています。 「確認書が出せるか分からない」「検査済証がない」「用途変更が必要か分からない」という段階でも、まずは一次調査で整理できます。
建築基準法適合確認の一次調査を相談する

200㎡以下でも建築基準法の確認は必要です

この内容はコラムで何度も書かせて頂いてるので【関連記事】をご覧ください。
けど、手引きを確認すると明確に明記されていますね。初動が大切だと思います。

【関連記事】
旅館業許可を取得する場合は、200㎡以下であっても建築基準法の適合確認が求められるケースがあります。 詳しくはこちらの記事もご確認ください。
旅館業許可時の建築基準法適合確認が重要に|200㎡以下でも建築士の証明が求められます

検査済証がない建物は事前調査が重要です

福岡県の手引きでは、旅館業許可申請の添付資料として、建物が建築基準法に基づく検査を受けたことを確認するため、検査済証の写しの提出を求めています。

しかし、築年数の古い建物や中古住宅、マンションでは、検査済証が残っていないことも珍しくありませんというよりも、あまり指導されてきていなかった。完全に個人的な見解ですが、当時、住宅の融資実行が検査済み発効前に実行し決済まで進んでるから特に受けなくても・・という風潮だったと思います。
けど今は、駄目ですよ!

主に確認する資料は、次のようなものです。

  • 建築確認等台帳記載事項証明書
  • 確認済証や既存図面
  • 登記事項証明書
  • 増築や改修の履歴
  • 現況写真
  • 現在の間取りや建物の状態

現在の間取りや建物の状態
これらを確認したうえで、必要に応じて現地調査や図面の復元を行い、建築基準法への適合状況を整理します。
検査済証がない建物では、資料確認をせずに「問題ない」と判断することはできません。物件購入や工事を進める前に、調査しておくことが大切です。

【関連記事】
検査済証がない建物でも増築・用途変更はできる?確認申請前に必要な法適合調査
詳しくはこちらの記事もご確認ください

確認申請前に必要な法適合確認について

近隣住民への事前周知も求められます

また福岡県では、簡易宿所を開設する際に、近隣住民への事前周知を求めています。
周知方法としては、戸別訪問、ポスティング、説明会の開催などが考えられます。

周知する内容には、次のような事項を含めることが望ましいとされています。

  • 施設の所在地
  • 事業者名
  • 営業開始予定時期
  • 問い合わせ先
  • ゴミの処理方法
  • 火災など緊急時の対応方法


周知の対象は、施設の敷地に隣接する建物や、敷地境界から10m以内にある一定の建物です。

また、施設が共同住宅の場合は、同じ建物の居住者への周知も必要です。分譲マンションでは、マンション管理組合への周知も含まれます。

許可申請時には、いつ、誰に、どのような方法で周知したかを記載した「簡易宿所開設に係る事前周知報告書」の提出が求められます。

民泊は住宅地や共同住宅内で営業されることも多いため、開業後の騒音やゴミのトラブルを防ぐ意味でも、事前に丁寧な説明を行うことが重要ですね。

200㎡以下の住宅・マンション一室でも、保健所から建築士の確認書や建築基準法上の確認を求められるケースが増えています。 「確認書が出せるか分からない」「検査済証がない」「用途変更が必要か分からない」という段階でも、まずは一次調査で整理できます。
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松本直樹(建築家)

株式会社松本再生建築研究所

福岡県を中心に、住宅・空家を旅館・簡易宿所等へ活用する際の用途変更、消防・保健所協議、改修計画を支援する建築士事務所です。200㎡以下で確認申請が不要なケースでも、旅館業許可前の法適合確認が重要です。

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